• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年02月06日 11:58

実質賃金プラス偽装工作に失敗安倍内閣 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は国民に嘘のデータを示して国民を欺き、選挙で不当な議席を確保しようとしていると安倍内閣を批判した2月5日付の記事を紹介する。


2019年は政治決戦の年。2012年末から6年以上続く第2次以降の安倍内閣に対する審判を下し、日本政治に新しい道筋をつける年である。その2019年の通常国会が召集され、国会審議が行われている。

2018年度第2次補正予算審議で取り上げられているのが統計不正問題である。経済政策を立案する際、事実認識のベースになるのが経済統計である。ところが、その経済統計が不正に取り扱われている疑いが浮上している。

政府統計作成に従事する職員数が削減され、統計に各種不備が生じている。このことも論じられているが、この問題と、政治権力による意図的な統計数値操作=不正統計問題を混同するべきでない。

統計に従事する職員数が不足していることが強調され、これが統計不備の主因であるとの節が流布されているが、これは、権力の側が問題の本当の責任を回避するために意図的に流布させている「印象操作」の一部であると見るべきだ。人員不足の問題と統計不正の問題を区分して考察することが必要だ。

統計不正の主論点が2つある。2018年の実質賃金上昇率数値が不正にかさ上げされていた疑惑が第一。名目GDP統計数値が不自然な制度変更で、不自然にかさ上げされている疑惑が第二である。

この2つの疑惑に焦点を絞って問題を追及するべきだ。この2つの問題の本質は「アベノミクス偽装」である。

統計不正によって、実体と乖離する良好な経済パフォーマンスを主権者に提示した疑いである。アベノミクスの評価が極めて低い主因はGDP成長率の低さと一人当たり実質賃金の減少にある。

拙著『国家はいつも嘘をつく――日本国民を欺く9のペテン』
https://amzn.to/2KtGR6k
では第一のペテンとして「アベノミクスの嘘」について記述した。

アベノミクスの成績は正当に評価すると最低最悪レベルである。安倍首相はアベノミクスがもたらした数少ない「成果」と呼べるものを寄せ集めて、これだけを繰り返しアピールしているが、「木を見て森を見ない自画自賛」でしかない。

国民目線で経済政策を評価する場合の二大指標は実質GDP成長率と一人当たり実質賃金上昇率になる。この二大指標でアベノミクスの成績は最低最悪なのだ。

実質GDP成長率平均値(前期比年率成長率の単純平均値)は+1.3%で、景気が最低最悪と言われた民主党政権時代の+1.7%を大幅に下回る。一人当たり実質賃金は約5%減少した。2013年以降で伸び率がプラスになったのは物価上昇率がマイナスに転落した2016年のみである。

アベノミクスが目指したインフレ誘導に失敗したために初めて実質賃金がプラスになったのが2016年。この2つの基幹統計数値を偽装するために統計不正が行われた疑いが濃厚なのだ。

安倍内閣はもりかけ疑惑同様に「逃げの一手」に徹するだろうが、日本の主権者は、この内閣がペテン師もどきの存在であるという本質を見極めるとともに、アベノミクスで国民の生活が台無しという真実を正確に把握することが肝要である。

※続きは2月5日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「賃金統計不正問題の本質と核心」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年07月14日 17:12

新型コロナウイルス~関東で感染拡大

  【表1】を見ていただきたい。全国(47都道府県)の新型コロナウイルス感染者の順位表である。 ~この表から見えるもの~ ◆全国(47都道府県)の7月14...

2020年07月14日 16:00

ストラテジーブレティン(256号)~日本を蘇生に導くハイテク大ブーム~米中対決のカギを握る半導体、言わば現代の石油(1)

 米中対決は香港の一国二制度の崩壊で決定的となった。現世界情勢の特徴は「中国の一方的攻勢」であろう。インド国境、南シナ海、東シナ海・尖閣列島では周辺への威圧を強めてい...

2020年07月14日 15:30

「コロナ後の世界経済」~ポスト資本主義の倫理、哲学で世界経済の再構築を(前)

 ポストコロナの時代には、格差拡大を続ける資本主義や、AIやICTを活用したリモートワークなどのオンライン化ではなく、倫理や哲学に立脚した新しい世界経済の再構築を目指...

2020年07月14日 15:05

朴ソウル市長の死去で大きく揺れる韓国社会(後)

 2年ほど前に、韓国の大統領有力候補として名が挙がっていた安照正前忠南道知事の性的暴行事件は、多くの国民に失望とショックを与えた。当時韓国では「Me Too運動」が広...

2020年07月14日 14:41

【8/10~12】上村建設前社長・上村秀敏氏初盆供養

 上村建設(株)は8月10~12日、同社前代表取締役社長・上村秀敏氏の初盆供養を同社の芥屋研修所にて執り行う...

2020年07月14日 13:32

梅の花が下方修正 20年4月期は43.9憶円の赤字に

 (株)梅の花(久留米市)が7月13日、業績予想の修正を発表した...

2020年07月14日 12:00

中国の新車販売が急回復!トヨタは2カ月連続で単月販売台数の過去最高を更新!

 中国自動車工業協会は7月10日、6月の新車販売台数が、前年同月比11.6%増の230万台だったと発表した。新型コロナウイルスによる影響が落ち着き、3カ月連続でプラス...

2020年07月14日 11:30

相次ぐマンションの設計偽装~デベロッパーと行政の「不都合な真実」 仲盛昭二氏 緊急手記(2)

 筆者が所有している別府市のマンション「ラ・ポート別府」でも設計の偽装が明らかになったため、区分所有者として、建築確認を行った大分県および別府市に対し質問書を送付した...

2020年07月14日 11:00

【株主総会血風録1】大戸屋ホールディングス~買収を仕掛けたコロワイドが戦わずして“戦線放棄”の奇々怪々(5)

 なぜ、コロワイドは最初からTOBを仕掛けなかったのだろうか。そしてなぜ、個人株主は株主総会でコロワイドの株主提案に反対票を投じたのだろうか。理由は、はっきりしている...

2020年07月14日 10:32

お仏壇のはせがわ中興の祖・長谷川裕一氏の経営者としての最終的総括(3)多角化のツケが露呈、その結果負の処理は人任せに

 (株)はせがわの業績を、参照してほしい。多角化経営の辻褄が合わなくなり、当時、赤字決算が続出していたことがわかる...

pagetop