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2019年02月12日 09:59

豊洲市場の耐震偽装問題はレオパレス騒動の比ではない!(前)

協同組合建築構造調査機構代表理事 仲盛 昭二氏へのインタビュー
(聞き手:伊藤鉄三郎)

 レオパレス21が施工したアパートにおける施工の不備(建築基準法違反)は、当初 641棟と発表されていたが、その後、新たに1324棟の不備が発表され大きな社会問題となっている。レオパレス21側は入居者に退去を要請しているが、引越し難民と呼ばれる現象が起きる引越し繁忙期であり、入居者の退去には時間を要すると思われる。もし この間に火災が発生した場合、施工の不備による延焼が想定される。

 建築基準法が規定する耐火基準違反は以下の3点
(1)外壁の内部にグラスウールを挟むべきなのに発泡ウレタンを詰めた。
(2)天井材を二重に張るべきところを一重にした。
(3)部屋間の仕切り壁(界壁)に建築基準法の仕様と異なる材料を使い、準耐火構造・防音性能を満たしていなかった。

 建築基準法は最低限の仕様を定めている法令なので建築基準法を満たしていない建物は最低限の安全性を確保できていない極めて危険な建物だといえる。

 居住者の危険性や退去の問題と別に、アパートのオーナーに対する問題もある。レオパレスのイメージ低下により、是正工事後も入居者が集まらず満室保証が不可能となるので、オーナーへの損失補償の問題が生じる。また、(株)レオパレス21の株価は急落しており、今後 経営が悪化すれば、是正工事や引越費用の負担、オーナーへの保証が難しい状況となることが予想される。

 (株)レオパレス21が創業から現在まで施工した物件数は3万9085棟に上る。このうち1993年から2001年の8年間に建設された1万5283棟の約9割の調査を終えているが(1月28日時点)、「界壁がない」あるいは「一部不備」は1万613棟に達している。

 まだ調査を実施していない2002年以降の建物にも施工不備(建築基準法違反)があると考えられるので、さらに多くのオーナーや入居者に影響が出ると予想される。

 レオパレスの施工不備について、協同組合建築構造調査機構代表理事・仲盛昭二氏(構造設計一級建築士)に意見を聞いた。

 

 -レオパレスの施工不備のような事例は、建築業界に多いことなのでしょうか?

 私の専門分野は構造設計であり、建築現場での配筋検査や鉄工所での原寸検査などには立ち会いますが、アパートの界壁や天井といった内装の実態については知識が少ないので、現場監理に永年携わっている知人の一級建築士の意見を聞いたところ 以下のような答えでした。

 「資格のある現場担当者が意図的に行うとは考えられません。現場担当者は建築確認済の図面を受け取り 図面通りに施工することが仕事なので、勝手に図面を変更して施工することはあり得ません。現場に責任があるとすれば、図面を良く理解できない程度の能力の人物が施工管理していたからでしょう。

 仮に、確認済の図面が書き換えられていたとするならば、現場担当者の責任は少なくなりますが、確認をせずに施工を行った責任は残ります。まず 現場で考えることは、担当する建物が消防検査や竣工検査を受けなければならないかということであり、当然のことながら、検査の対象となる箇所は特に確認をして施工するはずです。そして、各専門業者との打ち合わせの時点で周知徹底して工事に着手します。

 現場に関しては以上の通りですが、今回のレオパレスの問題は、行政が消防検査及び竣工検査で指摘していなければいけない事項です。あとから判って問題になること自体がおかしいといえます。インターネット上では、国交省が建築士を処罰するかもしれないと言っていますが、行政のいい加減さを隠す言動に過ぎないと思います。」

 

-現場担当者レベルでは 今回のような手抜き工事を行うことは難しいということですね?

 建物の完成を急がされている場合、「完成したら分からない部分」に対して手抜き指示を行うことも考えられます。

 監督の知識と能力不足から、それが重要なものではないと思って、安易に手抜き指示を出している可能性もあります。

(つづく)

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