2024年04月20日( 土 )

雑餉隈駅付近仮設踏切設置から1カ月~最大1km渋滞発生も緩和傾向に

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3月上旬午後5時半頃、雑餉隈駅付近にある仮設踏切前
の様子。右手に見えるのが、撤去予定の麦野跨線橋。

 西鉄天神大牟田線の雑餉隈駅西側に架かる麦野跨線橋(筑紫通り)撤去のため、2月10日、仮設踏切が設置された平面道路への切り替えが行われてから、1カ月が経過した。今回の措置は、福岡県と福岡市が事業主体となり実施している同線連続立体交差(高架化)事業の一環で、橋梁撤去、道路切り替え工事は福岡市、仮設踏切設置工事は西日本鉄道が担当した。切り替えなどにかかる費用は算出していないが、費用は原則、福岡市9、西日本鉄道1の割合で負担する。高架化の完了は2021年春の予定だが、もともとのルートへの平面道路の開通は、22年春の予定となる。平面道路は、延長約240m、幅員21mで、両側に歩道が設置される予定だ。

 切り替え後、仮設踏切の前では、平日朝夕のラッシュアワーなどに、数百mにおよぶ車列が連なる光景がしばしば見られるようになっている。市によれば、切り替え後の最初の平日となる12日朝には、上り線で1km近い渋滞が発生したという。その後、徐々に渋滞は緩和傾向にあるが、朝の上り線で700〜800m、夕方の下り線で400〜500m程度の渋滞が続いているそうだ。

 迂回路は、延長約240m、幅約10.5mの2車線で、片側に歩道も設置されており、17年度に工事着手した。仮設道路のため、用地は借上げ。22年春以降仮設道路撤去後、地主に返還される。仮設踏切の着手は18年9月。仮設踏切とはいえ、通常の踏切と同等の設備が使用されている。

 同市では切り替えにあたり、周辺住民に対し、2年以上前から工事説明などを実施。昨年9月以降、看板や横断幕を設置するほか、毎日ラジオCMを放映するなど、周知を図ってきた。そのおかげか、これまでのところ大きな苦情の電話はほとんどないという。

 同市道路下水道局の若松秀樹・雑餉隈連続立体交差課長は「高架化にともなう代替ルートとして、いろいろな案を検討したが、コストなどの面から、迂回路ルートは、やむを得ない選択だった。近隣他市と連携し、パークアンドライドのご利用も呼びかけている。通行する皆さまにはご迷惑をかけているが、ご理解いただきたい」などと話している。

 西鉄天神大牟田線連続立体交差事業は、福岡県が担当する延長約3.3km区間(春日原~下大利)と、福岡市が担当する延長約1.9km区間(雑餉隈駅付近)を合わせた総延長5.2kmの鉄道を高架化する事業。工事は西日本鉄道が担当する。高架化にともない、現在19カ所ある踏切が撤去され、交通渋滞の解消のほか、新駅開業などによる新たなまちづくりも期待される。総事業費は福岡県約557億円、福岡市415億円。

【大石 恭正】

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