2024年04月20日( 土 )

不動産とITを融合させ、仕組みをつくる(3)~インベスターズクラウド・古木大咲社長

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 不動産業界が飲み込まれたリーマン・ショックを乗り越え、爆発的に業績を拡大させている(株)インベスターズクラウド。同社にとって、不動産とITとの融合は欠かせないキーワードだが、いかにして生まれ、今後どのような方向に進もうとしているのか。同社代表取締役の古木大咲氏に聞いた。

 ――とはいえ、目標達成までそれほど時間はかかりませんでしたね。

 古木 システムエンジニアの採用を強化したことにより、反響数が爆発的に伸び、土地の情報量も増えたことで、加速的に業績を拡大することができました。現在、アパート経営アプリ「TATERU」の会員が約10万人。土地の情報は一斉送信され、良い土地ならかなりの反響があります。その反響をいただいた見込み客の情報はすでにストックされており、融資が通るかどうかもある程度わかりますので、営業も効率化されています。

 ――アパートローンへの締め付けがきつくなってきましたが、その影響はいかがでしょうか?

 古木 投資家の収入や立地によっては、審査が厳しくなっているのは間違いありませんが、弊社の顧客層に関しては、大きな影響はないと判断しています。現在、アパート経営の提案先は、年収1,000万円以上が約6割、700万円以上では8割を超えており、その層に対しての影響は見られません。

インベスターズクラウドの不動産テック

 ――アパート経営の「TATERU」だけでなく、さまざまな不動産事業を手がけられていますね。

 古木 テーマである「不動産×IT」は変わりません。「TATERU」だけではない、4つの事業を展開しています。

 一口10万円から不動産投資ができるクラウドファンディング事業の「TATERU FUNDING」。不動産特定共同事業法を活用できている企業が少ないなか、弊社はネットの強みを最大限に利用して大きな成果を得ています。今年4月4日には第4号ファンド「埼玉県さいたま市TATERU APファンド」を1口10万円、546口の募集を開始しましたが、募集期限の9日には募集金額の約5倍が集まりました。今後も不動産投資の間口を広げ、実物資産としてのアパート経営へのステップアップを支援していきたいと考えています。

 IoT事業「TATERU kit」では、アパート向けにスマホと連動する「スマートドアホン」などを提案しています。スマホ1台で照明やエアコンなどスマート家電の操作を実現しました。鍵の開け閉めも遠隔で行えるようにするなど、この仕組みを導入することでアパート管理の業務効率化につながりますし、他社との差別化を図ることができます。

 さらに民泊関連事業「TATERU bnb」では、ホスト向けに「TATERU Phone」を活用した民泊施設のオペレーションサービスや、宿泊マッチングプラットフォームサイト「TATERU bnb」、ゲスト向けに「TATERU Phone」を使ったコンシェルジュサービスなどを手がけています。コンシェルジュサービスでは、宿泊者が知りたいことをスマホで入力すると、回答が得られる仕組みで、4カ国語に対応しています。さまざまな企業様とタイアップすることで、イベント・交通予約なども実現することができました。

 最後に、ネットで住まいのリノベーションを提案するスマリノ事業。資金計画に合わせ、工事までワンストップで行っています。利用者からは好評を得ております。

(つづく)
【文・構成:東城 洋平】

<COMPANY INFORMATION>
(株)インベスターズクラウド
代 表:古木 大咲
所在地:東京都港区南青山2-27-25-7F
設 立:2006年1月
資本金:6億192万円
売上高:(16/12連結)379億1,500万円

<プロフィール>
古木 大咲(ふるき・だいさく)
1979年9月14日生まれ。高校中退後、三和エステート(株)へ入社。2006年に現・(株)インベスターズクラウドを設立。代表取締役に就任した。15年12月に東証マザーズへ上場を果たし、16年12月には東証一部へ市場変更した。

 
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