2024年05月27日( 月 )

まちづくりへの想い「未来構想委員会」で考える福岡の将来像(前)

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福岡商工会議所 未来構想委員会 松本 優三 委員長

 福岡商工会議所では、文化・芸術・歴史などさまざまな観点から福岡をとらえ、街の未来を考える機会を設けるべく、「福岡の未来構想委員会」を設置。2016年3月開催の第1回目を皮切りに、福岡をよく知る有識者を招いて将来のまちづくりなどについての講演会・座談会などを開催している。同会の委員長として尽力する(株)松本組の松本優三社長に、「福岡の未来構想委員会」から見えてきた、福岡のまちづくりについて話を聞いた。

(聞き手:弊社代表・児玉 直)

現在から未来を語る講演会

 ――現在、福岡商工会議所では福岡の未来についての講話が行われていると聞かれますが、どのようなものでしょうか。

福岡商工会議所 未来構想委員会 松本 優三 委員長

 松本 もともと、この「福岡の未来構想委員会」は、福岡商工会議所の前会頭であった故・末吉紀雄氏が肝いりでつくったものなのです。発意の元となったものは、福岡地区における古代地図です。近代の古い地図などが多々ありますが、古い歴史と文化を持つ福岡地区だけに、古い文化から紐解き、現在から未来を語る講演会としたのです。講師として東京藝術大教授・副センター長の伊東順二氏と、東京大大学院教授の出口敦氏に講演のお願いをして、実現に至りました。

 たとえば、福岡市における開発計画として『油山山頂付近から麓までケーブルを引いて、ケーブルカーを走らせたら魅力ある観光資源となるのか』『ある場所に鉄道の線路を引いて列車を走らせてみたらどういった経済効果が生まれるのか』など、未来への計画図を検証してきたのです。

 ――それは、昭和の初めに計画されたものではなかったかと記憶しています。

 松本 たしか、商工会議所に資料が残っているはずです。「こういうものをこの時代につくるとどうなるのか」「構想したものを今の時代につくってみてはいかがだろうか」というような発意がありました。これは話を聞くべきとの必要性を感じて、この会を開催する企画を起こしたのです。まあ、ビジョンとしては、福岡市の50年後、100年後ぐらいを青写真に描いたらどうか、というような話もあります。これを「未来構想委員会」ということで、何人かが持ち回りで発表することになりました。なお開催にあたって会の責任者を選ぶことになりましたが、結局は言い出した私に帰ってきてしまい、委員長を引き受けた経緯があります。

 ――最後には、松本社長が引き受けたのですね。

 松本 はい。最終的には「福岡への提言とかできたらいいじゃないの」との話にもなったのですが、私はそこだけはお断りをしました。

 ――それはなぜでしょうか?

 松本 我々が頑張っても、これだけ都市計画が進んでいる福岡市に提言したところで、太刀打ちできるはずがないと思ったからです。我々の考えより、構想も現実も、一歩も二歩も進んでいるような気がします。例を挙げれば、福岡市が進める天神ビッグバン構想や、移転問題で揺れた福岡空港に係わる問題、伸びしろが期待できる港湾関係、そして特区の問題など、すべての面で進んでいるのは感じています。これらについて、福岡市商工会議所が提言するようなものがつくりあげられるはずがない―と末吉会頭に進言しました。

 今の市長のアイディアや素早い動きなどは、我々60代、70代が真似できるようなものではありません。末吉会頭と打ち合わせを行っては、「私はこういう回答しかできない」と言いつつも、あえて出口先生と伊東先生に今回の講演をお願いしたのです。福岡市の構想や計画などを前提にしつつ、この2人であれば私を信用して講演していただけると信じていました。

 ――松本社長のご尽力で、このお2人を呼ばれたのですね。

 松本 2人には、あくまで「商工会議所における委員会活動でしたらやりましょう」と快諾していただきました。企画がスタートして、2016年3月に第1回目を開催しました。これまでに4回開催してきており、次の17年7月の5回目が講演終了となります。

 ――これまで4回にわたっていろいろとお話を聞かれてみて、“松本社長流”の構想もあるのではないのでしょうか。

 松本 出口先生は福岡に長くおられた経験がありますし、伊東先生はたびたび福岡市に来られるほど福岡に明るい。しかも、2人とも福岡県のセントラルパーク構想委員会に在籍してあるので、福岡のことはとてもよく知ってらっしゃる。しかも、福岡市を外から見ることもできる。やはり、福岡市を内部から見ることしかできていない私たちが、話の内容に太刀打ちできるわけありません。要するに内部のことも知りつつ、外から見ることができる2人の有識者のような人たちの感覚が必要ですね。

 ――外の人の意見は重要ですね。内部の人が気づかないことを、的確に指摘してくれますから。

 松本 そういう点では、福岡市も客観的に見られた方がいい。だから福岡市は立派だと思いますね。「そういう風な観点でしかできませんよ」という約束ごとで末吉会頭と話をした。これに榎本副会頭は、都市計画であったりまちづくりであったり、文化、芸術など幅広く考えを持っていらっしゃいました。会に毎回参加していただき、「今回はとてもいい企画だね」と言っていただけることが嬉しいですね。

(つづく)
【道山 憲一】

<プロフィール>
松本 優三(まつもと・ゆうぞう)
1957年、福岡市生まれ。明治大学商学部卒業後、81年に(株)松本組入社。90年、常務取締役、93年、代表取締役副社長を経て、94年、代表取締役社長に就任。

 
(後)

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