低炭素で楽しく暮らせるまちづくり~BONJONO(4)
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2017年、国土交通省が開催した「第1回先進的まちづくりシティコンペ」で、国土交通大臣賞を受賞した北九州市の「みんなの未来区BONJONO(ボン・ジョーノ)」。自衛隊分屯地の跡地開発として始まった城野地区の再開発は、低炭素社会実現のための取り組みや、住民・事業者が自らの手でまちづくりを進めていくというユニークな手法が採られている。BONJONOの取り組みをレポートする。
タウンシェアという考え方
住むということは生活をするということ。その生活の場であるまちで過ごす時間を最大限に楽しくするためには、どうすればいいのか。そのための取り組みが「くらしの製作所TETTE(テッテ)」の存在である。まちの真ん中につくられたTETTEは、住民たちの生活を向上させる場として活用されている。広いワンルームにはキッズスペースやキッチンスペース、交流スペース、読書スペース、工作道具を共有できるDIYスペースがあり、普段から格安で利用することができる。この施設は、シェアタウンという考え方から生まれている。たとえば道具を地域でシェアすれば、必要なときだけ必要なものを使うことができるため、住民の利便性は高まる。それと同じようにまちにシェアするスペースがあれば、リビングルームのように息抜きをしたり、気分転換の読書をしたりすることができるようになる。また、趣味を仲間とともに楽しみながらできる活動のシェアもある。そして、まちづくり自体をみんなでシェアして進めていくという点も特徴的だ。このように、自らがまちの機能の一部である、自らがその利用者である、というタウンシェアの考え方が、BONJONOの基本的なコンセプトとしてあるのである。そして、そのコンセプトを具現化した施設のひとつがTETTEなのだ。
くらしの製作所TETTEとは、エリア中心部にある集会所のような場所のこと。手と手をつなぐように暮らしの輪が広がる場所として、TETTEと名付けられた。ここは、エリアに住む住民の部室のような場所。ラボと呼ばれる同じ趣味を持つ住民たちが集い、ともに時間を過ごす場所なのである。月額1,700円を支払うことで、スペースと道具を借りることができる(エリア外からでも準会員として年間1,000円の会費で参加することができる。その場合、スペースの利用などで正会員よりも高い利用料金がかかる)。
実際にTETTEでは、さまざまなイベントが催されている。4月16日にはBONJONOオープンから1年を記念し、「BONJONOフェスタ2017」が開催。デザイナーのトークライブや手作りクッキーなどの販売、企画展示などが行われている。
そのほかにも、スマホカメラ教室や今年からオープンするコミュニティファーム(野菜などをつくる農園)の参加者募集と野菜づくり講座、お菓子づくり教室など、住民たちの手でさまざまなイベントが企画、運営されている。ラボでの活動により、毎日のまちで過ごす時間を最大限に楽しくするための中核的な施設がTETTEなのである。
(つづく)
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