2024年04月20日( 土 )

2019年度までに2兆500億円を投資、ビジネスモデル革新には1,000億円の投資枠(後)

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三菱地所(株)

生活産業不動産事業でも強気に

 三菱地所(株)は、アメリカの街並みを再現した「プレミアム・アウトレット」を全国9カ所で展開しているが、10カ所目となる「花園プレミアム・アウトレット(仮称)」(埼玉県深谷市)を、18年の開業を目指して計画中。さらに物流施設事業の強化も打ち出しており、5月16日に「(仮称)彩都もえぎ物流施設計画」(大阪府茨木市)を阪急電鉄と共同で推進することを発表した。

 同計画では、延床面積約12万5,000m2の「マルチテナント型物流施設」と同3万2,000m2の「Build-to-Suit型物流施設」が開発される予定で、19年度に着工。前者は21年度、後者は20年度の竣工を目指す。「今後も年間2~4件の用地取得を目指すとともに、積極的に高機能な物流施設の開発に取り組みます」(同)としている。

福岡空港運営権の入札にも意欲

ホークスタウンモール跡地複合再開計画のイメージ

 「福岡は、住宅、ホテルなど、投資できるすべてのテーブルがそろっています。そのなかでも目玉なのは、ホークスタウンモール跡地複合再開発計画でしょう」(同)。

 同社は福岡市中央区のホークスタウンモール跡地で、大規模商業施設および分譲タワーマンション2棟を建設する複合再開発を推進中だ。商業施設の名称は「MARK IS(マークイズ)福岡ももち」に決定。「MARK IS」は同社の旗艦商業施設ブランドだ。約5万4,000m2の敷地に、延床面積約12万5,000m2の天神以西で最大規模となる商業施設が生まれる。
 吉田淳一社長は中期経営計画発表の際に、19年4月から民営化される福岡空港の運営権の入札にも意欲を示し、「チャレンジする可能性はある」と語ったが、今後の動向については、「まだ検討している段階」(同)とした。

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 「丸の内の大家」といわれる同社だが、新たな事業を創出する投資のために1,000億円を別枠計上したことは注目に値すべきことである。中期経営計画をどのように推進するか、4月に就任したばかりの吉田淳一社長の舵取りに注目が集まる。

(了)
【長井 雄一朗】

 
(中)

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