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2019年04月13日 07:01

2025大阪万博決定で関西ヘルスケア産業が一気に加速! 医療・創薬、IT、金融など新たなヘルスケア・エコシステムを再構築へ!(中)

健康関連企業の集積地「大阪」で健康長寿

 さて、大阪府の平均寿命は17年の発表では男性80.23歳、女性は86.73でともに全国平均以下の38位。一方の健康寿命も16年の発表で、男性71.50歳で全国39位、女性は74.46歳で34位と、これも全国平均以下。松井知事もあちこちで述べているように、この大阪の数字が大阪万博開催によってどのように変化していくのかも大きな挑戦。大阪全体が健康施策の実験場となる一面ももつ。

大阪商工会議所 手代木功副会頭(塩野義製薬
(株) 代表取締役社長)2019年5月14日、
関西ウェルネス産業振興構想発表記者会見にて

 大阪を含む関西地区は、京都・奈良という多くの世界遺産を抱える世界的な観光地位を有し、「食いだおれ」に代表される独特な食文化とあけすけで、人懐っこい商人文化は海外の人々にも人気が高い。18年4~6月期における訪日外国人の都道府県別訪問率では大阪府は41.8%となり、東京都を抑えて2期連続で全国トップとなっている。17年に大阪を訪問した外国人は約1,207万人で、この年、日本を訪れた外国人客2,800万人のうち約40%が大阪を訪れており、11年の約158万人から実に6年間で約7倍に跳ね上がったことになる。さらに、武田薬品工業(株)、塩野義製薬(株)、田辺三菱製薬(株)など、日本を代表する製薬企業が本社を構える大阪市中央区道修町にある少彦名神社は薬の神様としても有名だ。

 ほかにもバイエル薬品(株)やアストラゼネカ(株)が大阪市北区に本社を置くなど、江戸時代から大阪は薬産業の中心として栄えており、その延長線上で、サントリホールディングス(株)やロート製薬(株)、小林製薬(株)、森下仁丹(株)、(株)カネカ、日本コルマー(株)など健康食品や化粧品関連企業も多い。また、緒方洪庵の「適塾」に代表されるように、古くから私塾が盛んで、産官学が一体となって研究開発に取り組む素地があるのも特徴。大阪が「健康長寿」を目指す万国博覧会の地に選ばれた理由はこんなところにもある。

2025大阪万国博覧会までのストリーム!

 さて、18年5月14日に「関西ウエルネス産業振興構想」が発表されたことを、まだご存じない方も多いのではないだろうか。大阪、京都、神戸の三商工会議所が協働、健康寿命延伸や社会保障費削減といった社会課題を、関西の企業の強みを生かしたウエルネス関連ビジネスで解決する「関西モデル」を創出して、関連産業の振興を図ることを目指すとされる。

 大阪商工会議所の手代木功副会頭(塩野義製薬代表取締役社長)、京都商工会議所の服部重彦副会頭((株)島津製作所相談役)、神戸商工会議所の家次恒会頭(シスメックス(株)代表取締役会兼社長CEO)という、そうそうたるメンバーで構成される「京阪神三商工会議所ライフサインエンス振興懇談会」で議論した一大プロジェクトだ。構想では、『運動機能』と『認知機能(精神・神経・メンタル含む)』の2つの課題に焦点を絞り、先進的な大学や研究機関、企業が集積し大きなポテンシャルを有する関西圏に、国際的なイノベーション拠点を形成することを目的にしている。

 具体的には「医療・ヘルスケア」「製薬・医療機器」「食品・サプリ」「スポーツ・運動」「保険・金融」「住宅・家電・介護」「ICT・AI・ロボット」などが重要項目として挙げられており、関西企業の連携により新しいビジネスモデルを立ち上げ、健康維持・増進の効果を検証するとともに、公的コストの削減効果を試算して具体的な社会実装を目指す。さらに、大阪、京都、兵庫の関西圏が指定されている「関西圏国際戦略特区制度」も最大限に利用するとともに、規制緩和や新制度を要望しながら事業の相互連携を進めていくことも折り込まれている。

 18年5月14日の記者会見で手代木功副会頭は、「自治体や健保組合、さらに企業とも組んでいければ、十分にコホート研究も成り立つと思う。ちょうど今から始めて、万博のころに具体的な結果が出ていれば面白いと思う。万博はオール関西でという公約もなされており、テーマが“命かがやく未来デザイン”ということで我々の構想とぴったり合っており、理想的な展開だと思う」と述べている。

 一方で、15年7月には大阪府が、健康寿命延伸産業分野における新事業の創出を支援するため「大阪健康寿命延伸産業創出プラットフォーム(OKJP)」を設置し、健康関連事業を実施する事業者の取り組みもすでにスタートさせている。これらの事業成果の発表の場が25年の大阪万博とすると、大きなマイルストーンが置かれることとなり、非常にわかりやすい流れができ上がる。

(つづく)
【取材・文・構成:継田 治生】

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