2022年05月19日( 木 )
by データ・マックス

地方とつながる多拠点 「コリビング」サービス

(株)アドレス 取締役 桜井 里子 氏

多数の出資を得て設立

 立地や間取りが異なる物件ごとに月額賃料は異なるのが、これまで紹介してきたサブスクリプション型賃貸住宅(参照記事)だが、(株)ガイアックスなどが出資して設立された(株)アドレスは、登録拠点ならどこでも住み放題になる「定額制の多拠点コリビングサービス・ADDress」を4月から開始した。同社の株主にはガイアックスやR不動産などの企業だけでなく、ITジャーナリストの佐々木俊尚氏など複数名のエンジェル投資家が名を連ねるほか、アドバイザーとしてCAMPFIRE・家入一真代表も参画する。

 同社のサービスは、これまで紹介してきたサブスクリプション型賃貸住宅とは若干毛色が異なる。サービス開始に合わせて、東京都渋谷区や品川区など都心にも拠点を用意したが、その大半は千葉県南房総市を始め、徳島県美馬市など地方が中心なのだ。また、マンションやアパートなどは含まれず、登録拠点にはその地方出身または在住の「家守」と呼ばれる管理人がサービスを手がける。家守は予約管理だけでなく、コンシェルジュやトラブル対応など地域に精通した能力が求められるが、18年12月から3カ月の間、先行して募集された家守候補には、シニアから若者まで幅広い層から200人超の応募があったという。契約形態はマンスリー賃貸住宅と同様だが、実態は都会と田舎を旅行するように居住することを促すサービスと言っていいだろう。

行動を変えるきっかけを

取締役 桜井 里子 氏

 「都会と田舎にそれぞれ拠点があることで、地方の関係人口を増やし、空き家問題を始めとした社会課題を解決していきたい。IT企業を中心に働き方も多様化しています。リモートで働く方々に魅力的な拠点を整備していきたいですね。もちろん、利用者の満足度を上げるためにも拠点選びは最も力を入れていることの1つですが、田舎の空き家は賃貸マーケットに出てきていないものも多い。そのため、不動産業者など地域の方々との協力が欠かせません。福岡にも魅力的なエリアは多く、拠点を探しているところです」とアドレス取締役・桜井里子氏は話す。

 2030年には20万件、100万室、100万人の登録を目指しているという同社。人口が集中している東京都心と地方の交流人口増加を図るため、ANAホールディングス(株)とも連携した。空席を活用して多拠点生活=シェアエコツーリズム推進のための実証実験を9月までの半年間行い、年会員にはこの期間に1往復分の航空券が配布されるという。現在の契約内訳は、法人と個人がそれぞれ50%。「将来的には個人の割合を70%にまで高め、個人の行動を変えるきっかけをつくりたい」(同社)といい、ビジネス然としていない同社のサービスが、利用者をどこまで増やし、居住の概念を変えていくのか注目したい。

【永上 隼人】

<Company Information>
(株)アドレス
代 表:佐別当 隆志
所在地:東京都千代田区平河町2-5-3
URL:https://address.love

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