【躍進する新宮町】豊かな自然と住環境の充実で今以上に住みやすいまちづくりを
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年05月15日 09:49

【躍進する新宮町】豊かな自然と住環境の充実で今以上に住みやすいまちづくりを

新宮町長 長崎 武利 氏

人口増に寄与した駅前中心市街地

 ――現在、新宮町の人口が急増しておりますが、その要因についてはどのようにお考えですか。

 長崎町長 一番大きな要因としては、やはり2010年3月にJR新宮中央駅が開業したことと、それにともなって駅前の区画整理と開発が進んできたことが挙げられます。

 もともと新宮町では、現在の中心市街地にあたるJR沿線が市街化調整区域と工業専用地域とで占められており、地理的な意味での町の中心部の開発があまり進んでおりませんでした。また一方で、1970年の国道3号線開通をきっかけに、3号線沿線を中心に町内の開発が進められていったのですが、そのときはあまり計画性がなかったことで、公共施設があちこちに点在し、機能性や関連性が乏しいまちづくりが進められていってしまいました。

 そこで、「やはり“町の顔”となる中心市街地を形成しなければならない」ということで、01年度に都市計画マスタープランを策定し、「新宮町中心市街地整備事業」をスタートさせました。中心市街地の形成にあたっては、JR新駅の誘致・整備を行うとともに、下水処理場(浄化センター)を地下埋設してそのうえにセントラルパークとなる「沖田中央公園」を整備し、これらを核として居住環境と商業施設などのまちづくりを進めてきました。

 その結果、おかげさまでこのエリアでは若い方を中心に新たな住民が増えており、町としては15年5月に人口3万人を達成したほか、15年10月に実施された国勢調査では人口増加率で全国の市町村トップとなるなど、人口が増えています。

 ――町民にとっての“忌避施設”である下水処理場を駅前の一等地に据え、そこをセントラルパークとして整備することで、将来にわたって開発ができないオープンスペースとして担保し、“町の顔”としての駅前開発を進めたことが、うまく奏功しているわけですね。

 長崎町長 定住人口が増えただけでなく、このエリアにはIKEAやカインズ、東京インテリアが九州初上陸するなど、魅力ある商業店舗が増えたことで、町外から訪れる人も増えています。近くには中村家具や少し離れてニトリもありますし、家具関係の店舗の集積が進んでいることで、うまく相乗効果が図れているようです。

 ――玄界灘に浮かぶ新宮町の「相島(あいのしま)」が現在、“猫の島”として一躍脚光を浴びていますが、観光振興の取り組みなどはいかがですか。

 長崎町長 実は新宮町においては、観光面は課題でもありました。そこで、15年10月に「(一社)新宮町おもてなし協会」を立ち上げ、現在、観光事業に取り組んでいるところです。“猫の島”として人気な相島のほか、団塊世代の方々には“健康登山”が人気ということで、367mと手ごろな高さの「立花山」のPRも行っています。さらに町外の方だけでなく、新しい住民――とくに子どもたちに向けて、自然環境や歴史などの新宮町の良さを体験・体感してもらう四季折々のプログラムなども実施しています。このように、観光だけではなく地域振興にも、町を挙げて取り組んでいるところです。

新設中学を核とした新たな市街地の形成へ

 ――新宮町ではこの4月から、新たに「新宮東中学校」が開校されたそうですね。

 長崎町長 新宮町では、人口増にともなう児童数の増加により、学校のキャパシティの飽和状態が続いていました。それを解消すべく、16年4月に「新宮北小学校」が町内5校目の小学校として開校したほか、今年4月に町内2校目の中学校として「新宮東中学校」が開校しました。

 この新宮東中学校は、校舎内部をユニバーサルデザインに基づく設計にするなど教育施設としての優れた機能はもちろんのことですが、実は地域における防災拠点としての機能も備えています。現在、町では「防災活動拠点づくり整備事業」として、中学校および隣接する「ふれあいの丘公園」との一帯約8.5haを、災害発生時の中長期にわたる避難場所および支援者の活動拠点として活用するための整備を進めています。

 さらに、これはまだ検討段階ではあるのですが、国道3号線・大森交差点から県道35号筑紫野古賀線の的野付近まで幅25mの都市計画道路を通すとともに、「三代土地区画整理事業」として、将来的にこの三代地区一帯に新たな市街地を形成することも考えております。

 ――最後に、新宮町の将来についての“夢”をお聞かせください。

 長崎町長 「早く人口5万人を達成して、市への昇格を」という声も聞きます。ですが、現在の町の人口が約3万3,000人であることを考えると、私としては無理に人口を5万人まで増やして単独での市制を目指すよりも、もっと町民の方々と向き合い、生活利便性だけでなく豊かな自然もしっかりと保全しながら、今以上に住みやすい新宮町を目指す、そんなまちづくりを進めていくほうが良いのではないかと思っています。たとえ小さくともキラリと光るような、そんな町をこれからも目指していきたいですね。

【坂田 憲治】

<プロフィール>
長崎 武利(ながさき・たけとし)

1941年10月生まれ。福岡大学附属大濠高校を卒業。5期20年にわたる町議会議員のほか、町議会議長などを経て、2011年4月に新宮町長に初当選し、現職。

▼関連リンク
【躍進する新宮町】駅前を中心とした新たな市街地形成で急速な発展を遂げる新宮町

月刊誌 I・Bまちづくり 記者募集

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

pagetop