2024年03月29日( 金 )

【潜入レポ】建築家集団「八人力(はちにんりき)」の定例会に行ってみた

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 10月某日、夕方6時半。辺りはもう暗くなっていた。仕事を終え、帰路に就く人が目立ち始めていた。この日、九州の建築家が集まる会があるとのことを聞きつけ、さっそく会場となる福岡市内の建築設計事務所に向かった。そこには、建築家が続々集まってきていた。「八人力」の定例会だった。

 八人力とは、異なる設計事務所に所属する建築家の集まりである。懇親会、発表会、報告会を兼ねた勉強会と思っていただいていいだろう。所属メンバーは福岡を中心に、佐賀、大分、熊本のおよそ10の事務所からの総勢15名ほど。6年前にメンバー5名で「五人力」としてスタート。「数が増えるごとに、改称していては落ち着かないので、8で止めた」と成り立ちを笑顔で説明してくれたのは、八人力の小林哲治代表。

「建築が好き」「人が好き」「現状に満足しない」がメンバーの共通点で、“退屈をぶっ壊して、まちを面白くする”のが目的だ。活動の内容は、それぞれ個人が新しく得た情報や現在抱えている案件、そしてその課題などを共有すること。この情報共有から、アイデアや解決策が生まれてくるというのだ。

 この日は、イタリア、スペインの建築設計を視察したメンバーからの報告があった。現地で気になった建物やデザインの写真がスライドで紹介された。建築家ならではの視点で撮影されたものが多く、一般観光客のそれとは明らかに異なる。最中のやりとりでは、写真を見ながら、構造や工法、素材、色彩や形状について、専門用語が飛び交っていた。「日本ではここまで冒険しないデザイン」「この素材の使い方は珍しい」―こうしたインプットが新たなアウトプットを生むのだろう。

たしかに、メンバーそれぞれの仕事は、所属する事務所によって違う。同業であり、ライバルでもある。しかし、志を同じくしたメンバーが語らい合う姿に、心地良い連帯感が感じられた。また訪れてみようと思う。

【東城 洋平】

<COMPANY INFORMATION>
八人力
URL: http://8ninriki.jp

 

 

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事