わらび座ミュージカル「ジパング青春記」特設ページ
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2019年05月23日 07:00

九州企業の衰退・勃興 平成を振り返る(2)

博多名門・基幹産業の淘汰

 博多にはかつて繊維卸の名門企業が多数存在していた。現在は津田産業(株)のほかは数少なくなった。博多区店屋町にはそれらの繊維問屋が群生していたことで有名だが、現在問屋街は東区多の津流通センターに移転した。

 この業種の衰退の始まりは、昭和50(1975)年3月に新幹線が開通した時である。要するにメーカーとして九州市場を押さえるのに、博多でワンクッション置く必要がなくなった。平成時代を通じて、「繊維卸の博多」の名前は消滅したといえる。「博多人形」も然り。どちらも伝統文化として保存される運命だけは残っている。

全国にその名を轟かせた博多明太子

 逆に「博多明太子」の名を全国に轟かせたのは、新幹線開通のおかげである。土産品として重宝され、50~100倍に市場が拡大されたそうだ。その中核が「味の明太子ふくや」で、当時、いろいろな同業の勇者たちが煌めいた。ところが平成の時代は「明太子の衰退時代」となり、(株)ふくや、(株)かねふく、「めんべい」の(株)山口油屋福太郎、(株)やまやコミュニケーションズが奮闘している。

 明太子業界の活気は失われたが、「食文化の先進地域・博多」というブランドは確立された。これは後述する。「博多の菓子」も名前だけ先行していたが、企業規模は大半が中小企業以下。倒産・廃業も進み、高収益企業としては(株)明月堂と太宰府・梅ヶ枝餅の「(株)かさの家」ぐらいしかない。

百貨店はすべて潰れた

 博多を代表する百貨店はかつて岩田屋、福岡玉屋、博多大丸、そして博多井筒屋と4社あった。普通、老舗といえば100年の歴史を背負う必要があるが、百貨店という業態が全国的に広がったのは新しく、昭和10(1935)年からである。そのころ小売業に関する法改正があったらしい。平成10(1998)年までには4社の衰退・倒産処理が明確になった。岩田屋は伊勢丹・三越傘下になり、オーナー一族は放逐された。

福岡玉屋跡地に建てられた「ゲイツ」

 博多大丸の実体は大丸の福岡支店と化し、オーナー太田一族から経営権は離れた。井筒屋は博多駅から撤退。博多駅には阪急百貨店が進出し、高収益を上げている。悲惨な運命は福岡玉屋で、跡形もなくなった。現在、中洲に商業施設「ゲイツ」が建っている。これが玉屋跡地と知る人たちが少なくなったことには驚く(40歳前後の女性たちも知らない)。時の移りゆく儚さを痛感する。

 流通小売に目を転じよう。3社をピックアップする。(株)ユニード、(株)ベスト電器、「カメラのドイ」の(株)ドイである。ユニードは昭和44(1964)年当時は(株)ダイエーとの売上の差を1,000億円まで肉薄させた。ベスト電器とカメラのドイは一時的にしろ業界日本一に立ったことを知る人は関係者のみ。残念ながらカメラのドイは跡形もない。ベスト電器は(株)ヤマダ電機に吸収されてしまったが、名前は残っている。これらすべて平成の時代に冷酷な結末を迎えたのだ。

 ユニードの場合は多少救われる。ダイエーの功労のおかげである。ダイエーの中内㓛氏がユニードを買収したのだ。中内氏は福岡地元のためにあらゆる投資をしてくれたのだが、最大の貢献は埋立地百道区域の不動産を購入してくれたことだ。そして、この場所に福岡ドームを建設した。現在の福岡ソフトバンクホークスの直接の産みの親なのである。福岡財界を代表する七社会は、口を出すだけで何もしきれなかった。

 しかし、ダイエーグループはイオン(株)に買収されて潰れた。福岡、九州一円を見渡すとイオングループの店々に要所を抑えられる哀れな光景を生み出した。そのなかで健闘しているのが、(株)コスモス薬品と(株)トライアルカンパニーである。ドラッグストアとディスカウントストアという新業態で全国に打って出ている。2社とも売上高5,000億円、4,000億円を突破しているのだ。この攻撃心は見上げたもの。しかし情けないのは、博多・福岡におけるアピールを怠っており、存在感が皆無である。

(つづく)

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