2024年04月19日( 金 )

『脊振の自然に魅せられて』「道標設置事業」~早良高校山岳部が応援

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写真は早良高校山岳部の生徒たちと早良区役所T(右)と私(左)

 2008年10月10日、道標設置の出発式を終え、第1日目に道標6本を設置。完成した道標を確認してホッとしたのは束の間であった。私を悩ませたのは道標設置に参加してくれる人員を如何に確保するかだった。

作業工程表に必要な人数を書き込んでいく。10月に開始した道標設置作業、雪が降る前には終わらせたい。脊振山系は結構雪が降る。雪で車がスリップ、参加メンバーが雪で滑って怪我をするなどのおそれがあるので、終了期限は12月第1週に設定した。

 ワンゲルの同期、後輩、先輩にメールや電話で頻繁に私の熱意を伝えた。もちろん主力メンバーはワンゲルの学生たちである。毎週、設置作業が続くため、体力、気力が大切であり、疲労も考慮しなくてはならない。

 そのころ、私は長崎の友人Tと長崎から小倉までの「長崎街道てくてく旅」を始めていた。長崎市の蛍茶屋から諫早へ通じる東長崎の日見峠から長崎の街並みを見てみたいとの思いから始めた。それが諫早まで歩き、とうとう小倉を目指そうという段階にまでなったのだが、道標設置のため友人のTに連絡し、しばらく旅を中断する旨を伝えた。

 そんな中、脊振で道標設置をしていることを新聞記事で知ったという脊振の地元である早良高校山岳部から「道標設置を手伝いたい」という申し出が、早良区役所にあった。顧問は西南学院大学OBで英語の先生とのこと。私と同じ大学の卒業生で、後輩にあたり、親近感を覚えた。ありがたい申し出である。

 10月13日(月・祝)、早良高校山岳部に椎原から矢筈峠への登山道の車谷での作業をお願いした。作業責任は区役所の Nに任せた。

私は所用が済んでから現場に駆けつけた。作業は高校生による若い力で順調に進み、最後の登山地図を設置中であった。

 道標設置作業のご褒美は 地元の脇山米を使ったJAワッキーの鶏飯弁当である。5人分を区役所のTが用意していたが、高校生が1人増え、弁当が1個不足する事態に…。Tは責任を感じたのだろう。自分の弁当を高校生に回し、空腹のまま作業を続けていた。

 そしてついに、登山地図を含め道標6本の設置が完了した。高校生たちが立てた道標は今も元気にその役目をはたし、登山者たちを見守っている。

 10月18日(土)、最大のヤマ場、佐賀県側の金山・脊振林道から金山山頂、坊主が滝ルートの道標設置である。

(次号に続く)

2019年5月28日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

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