2024年03月29日( 金 )

虎党記者のホークス観戦記~前夜の雪辱なるか阪神タイガース戦

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福岡ソフトバンクホークスと阪神タイガースの交流戦はいよいよ第3戦へ。第1戦は両軍死力を尽くし1-1の引き分け。第2戦はタイガース梅野の活躍によりタイガースが8-2で勝利。このまま連勝なるかタイガース、雪辱を果たせるかホークス―6月13日に行われた福岡ソフトバンクホークスと阪神タイガースの一戦を写真とともに振り返る。

先発投手は同期入団かつ同級生対決~ホークス大竹、タイガース高橋遥人

 ホークスの先発は熊本県出身で、育成出身初となる一軍公式戦初先発・初勝利の記録をもつ大竹。今シーズンのヤフオクドームではここまで5試合に先発し2勝0敗、防御率2.23と安定した成績を残している。

 1回表タイガースの攻撃は1番センター近本。今シーズンのタイガースは近本が塁に出ることで打線が一気に活気づくのが特徴。相手チームにとっては非常に厄介な1番打者といえよう。左バッターながら左投手に対しここまで打率.326の近本だが、大竹は近本に対し変化球を織り交ぜてショートゴロ。2番糸原は速球主体の組み立てでファーストゴロに打ち取り簡単に2アウトを取る。3番糸井にはフォアボールを与えるも、4番大山をわずか2球で仕留め、危なげなくこの回を乗り切った。

 対するタイガースの先発は高橋遥人。昨シーズンはタイガースの新人投手として甲子園の1軍公式戦に初先発・初登板・初勝利を記録。今シーズンはここまで4試合に先発し1勝0敗、防御率は2.42と安定したピッチングを続けている。

 高橋は1回裏ホークスの攻撃を3者凡退に打ち取り、こちらも上々の立ち上がりを見せた。

スコアボードはゼロ行進~息詰まる投手戦続く

 負けられない同期入団・同級生対決は、さながら投手戦の様相を呈し、2回以降は両チームともに打線が沈黙。2回裏ホークスの攻撃は2死から松田がピッチャーへの内野安打で出塁するも、続く塚田がセンターフライに倒れ3アウト。3回表タイガースの攻撃は1死2塁の好機をつくるも、近本、糸原の1、2番コンビが相次いで凡退し得点には至らず。両チームとも相手投手に完璧に抑え込まれヒットが出ず、平凡なゴロやフライが続き、スコアボードには延々と「0」が並んだ。

試合が動いた7回の攻防

 6回裏ホークスの攻撃が終わると、バックスクリーンにはタイガースのラッキーセブンがデカデカトと映し出され、ドーム内には「六甲おろし」が響き渡る。ビジター球場で六甲おろしが堂々と歌えるのは、虎ファンにとっては至福のひと時に他ならない。この時ばかりは記者も仕事を忘れ、ファンとともに六甲おろしを大合唱。1番が終わるとレフトスタンドにはジェット風船が舞い上がった。

 7回表タイガースの攻撃は3番糸井から始まる好打順。虎ファンの誰もがクリーンナップの1発を期待したが、糸井はレフトフライ、4番大山はセカンドフライに打ち取られ簡単に2アウト。5番福留の勝負強いバッティングに期待を寄せるも、ホークス大竹の投じた6球目外角ストレートを見逃し三振。よほど悔しさが残ったのか、福留はしばらくこのポーズで動けず。

 7回裏ホークスの攻撃は同じくラッキーセブン。「いざゆけ若鷹軍団」が流れ、球場内のボルテージが一気に高まると、ライトスタンドのホークスファンもタイガースに負けじと大声援を送る。

 ホークスは2番今宮から始まる好打順。今宮はレフト前ヒットで出塁し、続く内川もヒットで無死1、2塁のチャンスを迎える。続くデスパイネは空振り三振に倒れるも、この日5番に座ったグラシアルが、レフトスタンドに均衡を破る3ランホームラン。

 8回表のタイガースは2死から高山がヒットで出塁するが後続が続かず3アウトチェンジ。9回表はホークス守護神・森が登場。タイガース打線は森の前に手も足も出ず、簡単に3者凡退に打ち取られ試合終了。交流戦第3ラウンドはホークスが3-0で勝利した。

試合後の各選手のコメント

グラシアル選手(試合を決める第14号先制3ランホームランを放つ)
 打ったのはスライダ――。体がうまく反応してくれました。大竹が良いピッチングして抑えてくれていたので、チャンスで良いバッティングができて良かったです。

ファンの声

 3塁側で観戦していた増見喜一朗さん(写真右)と中野悟史さん(写真左)。増見さんは生まれも育ちも神戸市で、大阪市内でボタン・レース・ファスナーなどの服飾副資材のほか、阪神タイガース公認のエプロンの販売を行う、増見哲(株)の社長を務める。今日の観戦は取引先である中野さんの招待でヤフオクドームに訪れた。「ヤフオクドームにはどうしても行きたかったので来れてうれしいです。あの巨大なバックスクリーンは圧巻ですね。ファンを楽しませるための数々のアトラクションもすごかったです」と語ってくれた。

 今日の日のために熊本市からやってきた20歳の学生たち。タイガースファンの野口拓哉さん(写真左)が、「(高橋遥人がグラシアルに打たれたのは)甘いスライダーだった。それまでいいピッチングをしていただけにもったいない失点だった。打線はホークス大竹の前に完全に封じ込められていましたね」と語れば、ホークスファンの北川洸己さん(写真左から2番目)は、「大竹投手は僕と同じ熊本出身。今日は安心して試合を見ることができました。(7回裏の攻撃は)今宮のヒットから連打が出ていい流れだった」と語った。試合を振り返っての会話のなかには玄人好みの内容も。好きなチームはホークス、タイガース、ベイスターズ、ジャイアンツと異なるが、全員が野球経験者で、野球に関する造詣が深いのが印象的だった。

 14日の試合は対ベイスターズで、午後6時からヤフオクドームで行われる。ホークスの予告先発は千賀、ベイスターズは今永。

【長谷川 大輔】

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