2024年03月29日( 金 )

働き方改革とは(3)~なぜパワハラか?

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 企業の経営には常により良い結果が求められる。しかも現代では「短期間に」という条件がつく。短期間で結果を残すための手っ取り早い方法は強制と恐怖の指導である。だから過酷な研修による一時的な参加者の変化を、企業はその効果として認知する。

 しかし昨今、いかに情熱と愛情があろうとも、職場でのきつい指導はパワハラという言葉で十把ひとからげに糾弾される。そうなると早朝出勤も残業、休日出勤もだめ。「何もかも無理なしの横並び」ということになる。

 もともと横並び(隣百姓)を良しとする国家風土だから、やる気を前面に頑張ろうとしても、その気持はよってたかって萎えさせられる。

 その結果、時として企業の競争力が衰え、やがてそれは利益配分の減少となって従業員に還ってくる。ひどい場合は企業そのものが消える。

 そんな事例は過去にあまたある。たとえば小売業はそのほかの業種に比べて極めて生産性が低い。

 その理由と対策はここでは脇に置くとして高度成長時、大手小売業の労働条件は大幅に向上した。社員の給与や休日は以前とは比べ物にならないくらい改善され、パートタイマーも準社員と称する正社員に近い条件を手にした。

 それに加えて店舗の大型化と高質化。当然、販売価格は百貨店、専門店化した。しかし、長く続いた明るい明日は、ある時からその景色が変わった。

 人件費は高止まりし、価格を上げることで販売効率は低下した。その後、あわてて再パート化や店舗投資の効率化を図ったものの、高成長した小売企業の多くが姿を消した。

 畑も企業も努力と工夫なしでは成り立たない。ここで考えなければならないのは教育である。

(つづく)
【筑前 太郎】

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