2024年03月29日( 金 )

エレベーター設置批判発言と愛のある政治の落差

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は日本では、弱者を切り捨てる風潮が強まっていると訴えた7月2日付の記事を紹介する。


 参議院議員通常選挙が7月4日に公示され、7月21日に投開票日を迎える。老後資金が2,000万円も不足するという報告書が金融庁に提出されたことで主権者の年金制度に対する不信感が一気に拡大した。秋田県ではイージスアショア設置場所が極めて杜撰なプロセスによって選定されたことが明らかになり、主権者の反発が拡大している。イラン訪問も大失敗に終わり、衆参ダブル選に突入する環境が整わなくなり、参院選単独実施に路線が変更されたものと推察されている。

 衆院総選挙が実施されないため、直ちに政権交代が実現する状況ではないが、これからの日本政治を刷新するために極めて重要な意味を持つ選挙になる。

 安倍内閣は消費税増税強行を掲げて参院選に突入する。各種調査で消費税増税を掲げて参院選に突入しても自公の与党が敗北しないとの結果を得ているのだと思われる。日本の主権者をなめきった判断であると言わざるを得ない。

 たしかに、選挙情勢を見ると、自公が大敗を免れてしまうとの予想が成り立つような状況が存在していないとも言い難い面がある。しかし、それでは、現在の閉塞した日本の状況は変わらない。大事なことは日本の主権者が意識を変えることだ。主権者は、私たち市民なのだ。私たちが意識を変え、行動を変えることによって社会は変わる、政治は変わる。

 7月10日に詩想社新書
『25%の人が政治を私物化する国』
を上梓する。

 日本政治を刷新するための方策を書いた。ぜひご高読をお願い申し上げたい。

 日本政治を変えるために何が一番必要なのか。それは、すべての主権者が選挙に行くことだ。

 これが基本の基本だ。

 鳩山内閣を誕生させた2009年8月30日の衆院総選挙。投票率は69.27%、投票総数は7,200万票だった。これが、2014年12月14日の衆院総選挙では投票率52.65%、投票総数5,474万票になった。投票総数は1,726万票減った。

 自民党が比例代表選挙で得ている投票総数は2014年が1,662万票、2017年が1,766万票である。この自民党総得票数と同じ投票が消滅しているのである。主権者が全員選挙に行くことで選挙結果が変わる、政治が変わる、社会が変わる。

 安倍内閣は消費税率を本年10月から10%に引き上げる。消費税の本質は「庶民いじめ」である。「庶民」をいじめて、税収を巨大企業と超富裕層にばらまく。これが消費税増税の本質である。

 欧州の消費税率が高いと言われるが、生活必需品は非課税なのだ。庶民が普通の暮らしをするのに消費税負担は発生しない。ところが日本の消費税はまったく違う。軽減税率と言うが、生活必需品を非課税にするなら大いにアピールすべきだ。8%と10%の複数税率なら、混乱を招くだけの愚の骨頂政策以外の何者でもない。

 野党の魅力が低下していることが、安倍自公が強気になっている最大の背景だ。たしかに、いまの野党陣営の行動は人々を魅了するものでない。しかし、そのことによって選挙に行くことを放棄すると、ますます日本は悪くなる。だから、必ず選挙に行くことが必要だ。大いに存在感を高めているのが「れいわ新選組」だ。

※続きは7月2日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「思慮深い候補者擁立で脚光れいわ新選組」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

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