2024年04月19日( 金 )

ライオンズクラブを本来の姿に─337-A地区の今とこれから─(4)

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曲げられた信義

 そんな中、2018年3月14日、前述の地区ガバナーが所属する2リジョン(R)の3ゾーン(Z)内に属するクラブ会長から、日本の国際理事を通じてライオンズクラブ国際協会に抗議申立書が送られている。抗議における裏付け調査や、書面などの作成は、 “独善的・独断的なプロセス”に反対する会員たちによって行われた。

 その結果、企図された“ゾ―ン編成”は中止となったが、その後も問題は続く。2018年3月30日には、“プロセス”が問題だとして同ゾーン内のクラブからライオンズクラブの規約で定められた『地区紛争手続』が申し立てられている。これが337-A地区内で現在も言われている『国際紛争』だ。

 この『国際紛争』の関係者から話を聞いた。「今回の地区紛争手続=国際紛争は、すべて当事者らが自費で行っております。我々も今回の行動について全面的に支持しております。2018-2019年度から地区名誉顧問となった元ガバナーの意を汲んだ“側近”は地区を“独断的・独善的”なやり方で運営していたように見えます。そして、ほとんどの会員や代議員は“無関心、事なかれ主義”によってやり過ごしました。“あまりことを荒立てないほうが良い”と尻込みしながら彼らを支持する者もいます。“ライオンズクラブの大義を通そうとしている人々”が、孤軍奮闘している状況です。これまでの暴挙を見過ごし、許しているようなライオンズクラブは、まともですかね?」と語り、現在のライオンズクラブの体質を疑問視している。

 国際協会に申立を行うも、今のところ明確な判定の回答がない。「揉めごとには関わりたくない」「お前たちで良きに計らえ」と、無責任かつ専横的な組織運営に対し、正当な裁定を下し、警告を発せられることがないのが現状である。

 このような惨状を知り、「ライオンズクラブから離脱する」という意思表示を示す会員が増えている。また、新規入会を拒否する傾向が目立ってきても「やむを得ない」と放置されている状況だ。

 ライオンズクラブの会員は「奉仕の精神」をもっていることが大前提であり、当然すべての会員が奉仕の精神を最優先しなければならないと理解しているはずだ。

 奉仕とボランティアは混同されがちだが、それぞれ「似て非なるもの」である。一説では、ボランティアは“問題意識”から自主的に行うものだという。たとえば、災害が発生し、復興のために活動するのがボランティアで、「みんなが1人のために、1人がみんなのために」行うもの。一方、奉仕は、「誰かがみんなのために」行うものだ。

 どちらも報酬や見返りを求めることはないものの、ボランティアは民主主義社会の縮図として発展し、奉仕は個人の道徳心から派生した行動だと位置付けられている。

 元ガバナー(現・地区名誉顧問)の志向と“側近”による一連の行動ははたして『奉仕』だといえるのだろうか。無論、責務として災害復旧支援や数々の支援を行ってきたことは事実だが、それは当然のことである。

 組織の運営において一見、民主主義的に行動しているようだが、規約に辛うじて沿っているというだけで、実態は専横的で非民主主義的な手法で、ライオンズクラブが利用されているのを見過ごすことはできない。横行している専横的・非民主主義的手法については、これから明らかにしていく。

(つづく)
【河原 清明】

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