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2019年08月11日 07:04

次世代の日本ラグビー界が進化、発展するために(中)

(公財)日本ラグビーフットボール協会 会長 森 重隆 氏

リーグのプロ化について議論を

 ――話は変わりますが、前述された通り、前回W杯後、日本ラグビー界にはブームが到来しました。しかし、そのブームはおそらく6カ月程度であり、約1年後には世間から忘れられた存在となりました。その原因は何だったのでしょうか。

 森会長 やはり、国内最高峰のリーグであるジャパンラグビートップリーグ(以下トップリーグ)へブームを還元できなかったことです。本来であればJRFUと試合会場の各自治体が連携しながらプロモーションを行い、訴求力を高めて1人でも多くの方々にラグビーの面白さを伝えて、観にきていただこうとする行動力が足りなかったと分析しています。そのほかの原因もあるでしょうが、トップリーグを盛り上げきれなかったことが一番の原因であると思います。

福岡高校ラグビー部監督時代の森会長
(写真左背中/福岡高校ラグビー部90周年記念ビデオより

 ――現在もトップリーグが盛況であるとは言い難い状況です。単刀直入ですが、現状を打破するにはプロ化は不可避ではありませんか。

 森会長 そうですね。日本ラグビー界が永続的に進化し続けていくには、プロ化は避けられません。私案として、まずはトップリーグのプロフェッショナル化を明確にすることでしょう。今のトップリーグはプロとアマチュアが混在しています。アマチェアの存在も大切ですから尊重しながらも、純粋な国内プロリーグが必要なのです。

 世界のラグビーの動向を見れば一目瞭然ですが、アマチュアのままであれば、ティア(tier)1の強豪10カ国に入ることは極めて困難でしょう。ティア2(中堅国13カ国)のままで満足できるのでしょうか。世界の強豪の仲間入りをするには、国内のプロリーグは必要です。

 ――以前から、国内ラグビーのプロ化について是非が論じられてきましたが、なぜ議論が進まなかったのでしょうか。

 森会長 それはJRFUが真剣に向き合い、具体的な行動に移さなかったからです。つまり自ら出向いて、トップリーグのチームのオーナーや代表へ直接伝えることをやらなかった。チームの担当者をJRFUに呼んでプロ化について語ったところで、JRFUの想いは伝わりません。なぜなら担当者はサラリーマンであり、自分で決裁することができないからです。本気でプロ化を実現するためには、やはりチームのオーナーや代表と直接向き合って伝えていくことから始めなければなりません。これは、私と新たに副会長に就任した清宮克幸でやっていくことになります。

 ――プロ化に向けた具体的なアクションプランについてはいかがでしょうか。

 森会長 まだ新たな体制が発足したばかりで、また新任の理事の方々もいらっしゃるので、焦ることのないように、丁寧にコミュニケーションをとっていきたいと思います。そして前述した通り、チームすなわち企業側の協力が不可欠です。拙速なことにならぬようにじっくり腰を据えて企業側とこれからのラグビー界について議論していきます。

 新任理事の1人である境田正樹さんは弁護士であると同時に、男子プロバスケットボールB.LEAGUE(Bリーグ)の創設と日本バスケットボール協会の改革にも尽力され、Bリーグと同協会の理事を歴任されてきました。境田理事からは、バスケットボールリーグのプロ化の経験を基に、「絶対に焦ってはいけません。企業との共存共栄とともに全国各地の自治体との相互理解と連携が大変重要です。プロリーグを開催することで、それぞれの自治体の地域活性化に貢献できる具体的な効果を示していくことです。地道にやることが大切です」と説明を受けました。

 サッカーのJリーグ、バスケットボールのBリーグの活動を参考にしながら、グランドデザインを策定し、コミュニケーションを構築しながら、プロ化を進めていきたいと考えています。

(つづく)
【河原 清明】

<プロフィール>
森 重隆(もり・しげたか)

1951年11月6日福岡市生まれ。福岡県立福岡高等学校からラグビー選手として活躍し、2、3年時に全国高等学校ラグビーフットボール大会に出場。明治大学に入学して1年次から公式戦に出場。4年時に日本代表に選出される。同学卒業後、74年に新日本製鐵(現・日本製鐵)釜石製鉄所に入社。同社ラグビー部に所属し、78年〜84年まで日本選手権7連覇したなかの1〜4連覇に主将、選手兼任監督として貢献。引退後故郷に戻り、91年(株)森硝子店の代表取締役を継ぐ(現職)。その間、母校福岡高校ラグビー部のコーチ・監督となり後進の育成に務める。2015年にJRFUの副会長に就任。19年7月にJRFU会長に就任。現役時代は日本代表として27テスト。『ヒゲ森』の愛称で親しまれる。

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