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2020年01月24日 07:00

商売の王道を追求し、焼き肉レストラン店を拡大 人を大事にする社風が事業の拡大を支える力 一樹百穫 

飲食店経営
(株)綱屋

ベトナムに海外1号店を出店

ステーキガーデン風の邱
ステーキガーデン風の邱

 (株)綱屋は1979年2月、代表取締役会長・萩原正綱氏が精肉販売店を開業したのが起源である。萩原氏は、着実に事業を拡大し多店舗化をはたす。その後、時代の変化を先取りし、外食事業へ主軸をシフトし焼き肉レストランのチェーン化に着手した。肉に精通した強みを生かした同社の店は、広く支持を集め着実に店舗を増やし、現在は福岡市内に「黒和牛焼肉伝統料理 ヌルボン」「博多和牛一頭買いの店 ヌルボンガーデン」「だんらん居酒家 HANA」「ステーキガーデン風の邱」といった直営店を14店舗、熊本にFC2店舗を展開している。

ベトナム1号店「IL CORDA(イル・コルダ)」
ベトナム1号店「IL CORDA(イル・コルダ)」

 人口減少とマーケットの縮小が進む日本とは対照的に成長著しいアジア諸国が世界から注目を集めるなか、同社も創業40周年を迎えた今年5月、ベトナムにステーキハウス「IL CORDA(イル・コルダ)」を出店した。1.5㎏のトマホークステーキなどを提供し現地で話題を呼ぶなど、順調に売上を伸ばしている。このベトナム1号店を足がかりに、3年で10店舗の出店を目指している。ベトナムを拠点に綱屋の味は海外でも広がりを見せているのだ。

人を大事にする社風

取締役常務 呉羽 信介 氏
取締役常務 呉羽 信介 氏

 飲食店の魅力は五感で感じるものである。料理が旨いのはもちろん、居心地の良さや清潔感、従業員の対応なども味を決める重要な要素といえる。同社のグループ店は全店、清潔感にあふれ居心地の良さを高めるための気配りが見えないところにまで行き届いている。

 また、店内では従業員同士、あるいは、従業員と社長や会長、役職者が笑顔でお互いのこぶしを軽く合わせるグーパンチで挨拶する姿を目にする。その姿は微笑ましく、店内の空気にも和やかさや活気を与え、料理の味を引き立てるスパイスとしての役割もはたしているようだ。

 こうした店の空気を醸し出すものについて、呉羽信介常務は「人を大事にする創業者の思いが、会社の社風となっているようです」と語る。退職した人を招いて毎年OB会を、学生アルバイトが学校を卒業する時期には店で卒業を祝う会を開催するなど、働く人たちだけでなく、店を辞めた人との関係も大切にする会社の姿勢を経営幹部のみならず、店に関わる人全員が体感し、浸透しているのだと考えられる。アルバイトの学生たちが、よくアルバイト仲間や友だちと店を訪れるというのもその表れといえるだろう。

商売の王道を追求

 今後の店舗展開は、ベトナムでは1号店で運営ノウハウを蓄積し、地域や立地に合わせた業態を出店していく考えだ。国内でも、既存業態の拡大と新規業態の開発も視野に入れた展開を図っていく。業態開発において重視しているのは、商売の王道を追求するということだ。

 呉羽氏は、「従業員の幸せを実現していくために自分たちの強みを生かしながら、ITやAIの活用など新しいことに柔軟にチャレンジし、強く、良い会社づくりを目指すわけですが、商売は流行廃りでやるものではないという考えが当社の基本にあります。だから一過性のものやニッチを追いかける文化はありません」という。

 店舗で提供するアイテムは100以上にのぼる。高い品質の料理を提供するためにセントラルキッチンを採用しているが、お客に提供する前の仕上げには人の手を加えるこだわりを崩さない。「お客さまの心に響く店づくりのためには、効率を追求しながらも非効率な部分を残す」という萩原会長の店舗運営における考えは着実に全体に浸透している。

 時代とともに変えるべきものへ柔軟に対応する一方で、変えてはいけないものを守り続けることで、綱屋は商売の王道をまっすぐに進んでいく。

時代に合わせて社内体制を整備

本社社屋
本社社屋

 企業が成長する速度や大きさは、組織を構成する人の成長と比例するといえる。綱屋は魅力的な職場と、自ら行動できる能動的な考え方ができる人材の育成を目指している。

 人が育ち職場で力を発揮できるようになるためには、魅力的な環境と給与など安心して働ける職場であることが求められる。人を大切にする社風をさらに高めるために、評価や報酬制度、権限委譲など時代に沿った労務管理上の課題解決にも取り組んでいる。

 人材については、まず、人としての在り方を重視している。そのために、礼儀や礼節、掃除の大切さを教える。そのうえで、仕事の考え方や技術、ノウハウを学ぶ機会を提供するのだ。

 たとえば、店長、料理長を一緒にした勉強会や若手を中心にした原価率やマージンミックスなど数字の勉強をする勉強会も開催する。「ずっと当社で働いていただけるのが理想ですが、綱屋で働いた、あるいは、アルバイトしていた人なら大丈夫と地域の人や企業から評価されるような人材を育てていきたい」と呉羽常務は目を細める。

 萩原会長が創業して40年余、綱屋は魅力的な人材育成とそれを支える職場環境整備でさらなる飛躍を遂げるだろう。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:萩原 正綱
所在地:福岡市博多区美野島2-5-2
創 業:1979年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-433-1129
URL:http://www.tsunaya.co.jp/recruit/index.html

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