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2019年10月30日 16:25

【山本太郎「神回」街宣】裕福でない者同士で石を投げ合ってどうする!~大分の街宣で涙の訴え(前)

「しょせんタレント」と誹謗中傷する質問に、半生を語り尽くす

 山本太郎・れいわ新選組代表の「れいわが始まる 山本太郎 全国ツアー 第二弾・九州」(10月15日~28日)の最終日、大分駅前での街頭記者会見の雰囲気が突然一変した。マイクを握った途端、「あなたは偽善者だ」と攻撃的質問を始めた高齢男性が、参院選で障害者2人が当選する一方で山本氏が落選したことを問題視。山本代表の当選を最優先にすべきだったとして「順番が逆」「格好つけている」「利口ではない」などと繰り返し批判、最後はマイクを地面に叩きつけたのだ。

 その間、山本氏は以下のように何とかコミュニュケーションを取ろうとしたが、質疑応答がかみ合い始める前に高齢男性が物に怒りをぶつけて、立ち去ってしまったのだ(注1に「高齢男性と山本氏のやりとり」)。

 それを見た山本氏は「器物破損ですよ」「今、あなたが投げたマイクはみんなが献金をしてくれて買ったマイクなのです」などと抗議した上で、質問者不在の中で問い掛けに答え始めたのだ。

 山本氏 (高齢男性は)「どうして、あなたが受からずに障害者を受からすような格好付けをやるのだ。あなたが国会にいないと意味がないでしょう」というお話をされていたと思います。そういう見方もあると思います。私が国会議員になれずに、障害者、重度障害の方を二人送り込んだことに対して「あざとい」という言葉を投げられた方もいました。

 「あざとい」ということは何ですかということです。「あざとい」ということは、国会の中で確実に動くような人材を送り込みたい。これが一つ。動いたじゃないですか、確実に。(拍手)国会のバリアフリー化。それだけではなくて、いま二人は重度障害の方々が働けるように学校で学べるように。これは、働けないのですよ。学べないのですよ。国から補助が出ないのですよ。どうしてかって、基本的に「障害者は家にいろ」という考え方なのです。それを、重度訪問介護というサービスを使えるように、広げるように動いているのがお二人なのです。だって、もうパラリンピックが来るのでしょう。障害者の権利条約を批准しているのでしょう。

 いま、この国にははっきり言って、障害者の権利条約を批准した責任を果たせていないし、パラリンピックをこの国に呼ぶような資格はまだないですよ。それをやっぱり当事者の方から言ってもらうというのが一つ。

 もう一つ重要なことは何か。ただでさえ、生き辛い世の中ではないかということですよ。生産性で人間の価値が測られているでしょうと。「会社でどんな役に立っているのか」「この国の役に立っているのか、あなたは」と常に問いかけられるような社会じゃないか。何かしら利益を産み出さなければ、生きていていいとなかなか思えない社会ですよ。「死にたい」「消えたい」。そんな社会の中で生きているなんて、地獄ではないですか。

 これを変えるためには、私は生産性で物事を語らせないということをしっかりと議論してくれるというような人たちに(国会に)来てもらう必要がある。それにはまず見た目に生産性が、「一見生産性がなさそうだよね」「あんな人たちを送ってどうするの」と言われるような人たちを(国会に来てもらう)。でも、とんでもない。無茶苦茶生産性は高い人たちですよ、お二人は。事業所の副社長をやっている船後さん。施設から一人で障害者が自分の地域で暮らせるようにしていった木村さん。こういう方が国会に入ることによって、生産性で人間の価値を決めさせないということを進めていくという(社会を止める)。本当に、ある意味、国会の中にミサイルを撃ち込んだのと一緒ですよ、ハッキリ言って。(拍手)人間を切り捨てるような社会を止めようぜという火蓋を落とすためには、この才能溢れるお二人は絶対的に必要な人材なのです。私はそう思っているのです。

 なぜならば、人間の価値を生産性で測るような社会が加速していったら、人間が生きている期限を決められるような社会になるということです。「あなたは役に立っていないから、まだ生きるつもりなのですか」と。高齢化社会が加速して行った時に、「寝たきりじゃないか」「あなたのせいで、みんながコストがかかるのだよ」というような社会になりかねないことを危惧しています。

 そういう発言をされている政治家もいます。副総理です。麻生副総理、2016年6月、北海道小樽市での自民党の集会で「90歳になって老後が心配だとか、訳の分からないことを言っている人がテレビに出ていたけれど、『おまえ、いつまで生きているつもりなのか』と思いながら見ていました」ということを言うのです。自分はいつまでも生きていられるでしょう、高度な医療を受けながら。明日のことを心配せずに代々続いてきたお金で。でも、そうではない人たちに対して、どういう人が社会を作っていくのかというと、命の期限を決められると思っていますよ。「いつまで生きているつもりだ」って。

 今でさえ、「おまえ、生きている価値があるのか」という中で生きている人がたくさんいるのではないかと。年に2万人以上が自殺する現実について、「どうして、こんな世の中なのか」とみんなで考える時期に来ているのではないか。一年に50万人以上が自殺未遂をしている。このことに関して、世の中が壊れている、社会が壊れているって、みんなが思わないといけない瞬間ではないかって。そう思えない状況にある人が一杯いるじゃないか。なんでか。長時間働いて、政治に対して、世の中のことに対して、考える心のスペース、全く残っていない人たちがいっぱいいるのではないか。

 だから諦めたり、50%以上の人たちが票を捨ててしまうのでしょう。思うつぼじゃないかって。生産性で人間の価値が測られるなんてことがもう既に始まっている。切り捨てられているじゃないか。非正規って働き方、考えてみて。半年後の自分、一年後の自分をイメージできるような働き方ではないですよ。企業がその労働者に対して責任を負わなくていいという働き方が労働者の4割までに広がってしまっているのでしょう。

 非正規の人たち、どんな状況にされているのかって。自分で家を持てない人が一杯いますよ。ネットカフェ難民、東京都で調べがあった。ネットカフェ難民の4人に1人が家がない人だった。ネットカフェを家にしている人たちの7割は非正規労働者ですよ。なんで、こんな世の中になるねん。みんなが政治を諦めて、政治を諦めない人たちがこの国をコントロールしてきたのだろうって。

政治をコントロールしてきた人は誰?自分たちの議員を送り続けた人たちは誰って言ったら、企業側だよって。3割ですよ。全有権者の3割の票を集めるだけで、企業側が最大限得をするようなことを全部決めて、やれるのだと。政治に関心を持てない。関心を持たないことによって、自分で自分の首を絞め続けていたのですよ。

・補足説明:障害者2人を特定枠を使って優先して当選させた理由について説明をした山本氏は、芸能人から政治家になったきっかけも語り始めた。

芸能人から政治家になったきっかけ

 山本氏 こんな地獄のような国になっていることを私は知らなかった。16歳から芸能界に入って、一回も経済的にこけたことはないのですよ。失敗をしたことがないのですよ。安定していたのですよ。でも自分の周りはどうだったのか。ロストジェネレーションですよ。知らなかった。

 大学を出たら、いい会社に入れるって、それで安泰な人生だと言われていた時代ですよ。でも、社会に出たら違った。何が起こったのかというと、97年に消費税5%に上げた途端、日本の経済が傾いたでしょう。世界の通貨危機が起こったでしょう。それでどうなったのかと言うと、次の年から20年以上のデフレを本格的に始める年になったのですよ。で、みんな就職が出来ない。就職が出来なくなってどうなったのかと言うと、初めて就いた職が非正規、アルバイト。そこから、いつ正規になれるのですか。いつ正規になれるのですか。景気が持ち直して正規になれるのは、新卒でしょう。そんな地獄みたいな思いをしてきた世代が今も苦しんでいるということに気がついたのが、僕は大人になってからなのですよ。

 (涙ながらに)悔しいな。(拍手)あの人にも分かって欲しいのですよ。申し訳ないけれども、あの人だってどう見ても裕福な人ではないでしょう。(涙声で)決して裕福でない人たちが、裕福でない者同士で石を投げ合ってどうするのですか。分断に加わってどうするのですか。結局、見過ごされるのはそれを決めた政治、大企業じゃないですか。「政治で変えられるのだ」ということなのですよ。それを放棄して、どうするんだよ。

 いつまで持つのだよ、あなたのラッキーは。いつまで持つのだよ。あなたはいつまで勝てるのですか。親がよっぽど金持ちなのですか。海外に資産を逃がしているのですか。あなたが、勝ち続けられるような約束のない世の中なのだから、あなたが丸腰でも生きているような世の中にするしかないじゃないか、政治を使って。(拍手)

 私は不安しかないですよ、将来に。いま党代表、出来ていますよ。でも先は分からない。私だって生活困窮に足を踏み入れることがある。あるかも知れない。その時に真っ先に国が手を差し伸べてくれて、行政が助けてくれるような国になって欲しいよ。だから変えたい、ってことですよ。自分のために変えるのだ。みんなのためでもあるけれども。自分のためにやりたいということですよ。

 自分勝手でごめんね。自分にはそんなに自信がない。スーパーマンではない。芸能人だった。でも今は芸能人じゃない。芸能界に戻れるなんか思っていない。「竹中平蔵、ろくでもない」とか、「経団連がどうした」と言っているような人間が、散々言って来た人間が「東電を潰せ。国有化だ」とか「原発を全部国有化してしまえ」とか言っている人間を芸能界に戻してもらえるような甘い社会か、ということですよ。ありえない。

・補足説明 「山本太郎が親友」というロンブー淳さんは「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長との対談で、山本氏が福島原発事故後に原発反対を言い始めて芸能界を干されていったことについて、「僕も飯田さんと対談して干されてしまいますか」と聞いたことがあった(注2)。それほど芸能界では政治的発言がタブーになっているといえる。芸能人人生にピリオドを打ち、退路を断って政治の世界に足を踏み入れたのは間違いない。

注1 高齢男性と山本氏のやりとり

 ――(マイクを投げつけた高齢男性)あなたは偽善者だ。参議院できちんと出ろよ。なんであの二人を出したのだよ。あなたは偽善者だ。えらそうなことばかり言って、票を取るだけじゃないか。しょせん、あなたはタレントだよ。格好つけるのじゃないよ。格好つけるのじゃないよ。介助が必要な人が二人出てきた。当選しましたよね。じゃあ、何ですか。あの真意は何なのですか。あなたが最初から出れば良かったわけではないの。出れば良かった。あなたが党首として、今回当選をした人がいますよね。二人、障害がある方とかいますよね。あなたが参議院でまず当選をして、それから一つの党を作って、それから障害のある人たちを当選させる。順序が逆じゃないかと思う。

 山本太郎代表 その重度障害を負った方々と私が同じように立候補しました。票が足りなくて。

 ――(高齢者の男性)だから、あなたが一つの党を作って、それからいろいろ障害のある人たちをこれから先、当選させることの方が大切ではないのですか。あなたは何ですか。国会議員でも何でもないじゃないですか。それよりも、あなたが国会議員として、まず国会議員として当選をして、それから障害のある人たちとか、あなたが今言っていることは全然逆じゃないですか。生活保護とか何とか言っているけれども、あなたがまず党首として、障害のある人たちとか弱者を助けて、そういう人たちを国会議員として仲間を増やすというのがまずは先ではないのですか。違いますか。あなたは格好をつけているばっかりじゃないですか。

 あなたが今回の参議院で落ちたかも知れないけれども、衆議院でも何でもいいのだけれども、あなたが(国会議員の)党首として、それからいろいろな人を増やすということが大事じゃないですか。

 山本太郎代表 それを今やっているのですけれども。(拍手)

 ――それだったら最初から当選すればいいことじゃないですか。

 山本太郎代表 当選すれば良かった。たしかにそうなのです。私、落ちるつもりで選挙をやっていません。

 ――落ちるに決まっているじゃないか。何で、こんなところで抜け抜けとやっているわけ。大学教授でも何でもないわけでしょう。何なのだ。

 山本太郎代表 一般人です。あなたと同じ一般人です。

 ――あなたがまず当選して、それからでしょう。

 山本太郎代表 当選してと言っても当選するのを決めるのは誰ですか。

 ――あなたはその結果、落ちたのです。それを二人の人たちに票を分け合って、やったわけでしょう。

 山本太郎代表 それが格好付けというのですか。

 ――格好をつけているじゃないですか。それよりもあなたが当選をして、それからでしょう。

 山本太郎代表 結果、党になったのです。

 ――こんなところで格好をつけている場合じゃないだろう。

 山本太郎代表 格好なんかつけていませんよ。

 ――あなたはそんなことばかり言っているじゃないですか。あなたはあまり利口じゃない。

 山本太郎代表 利口だったら政治なんかに関わらないですよ。利口だったら選挙なんか出ませんよ。何でこんなしんどいことをやるのですか。300万円かけて九州を回るわけでないでしょう。(拍手)休みたいですよ。面倒くさい。面倒くさい人に絡まれるわけですから。でも、やりますよ。

 ――私はハッキリ言います。山本さんはまず――(マイクを投げつける)

 山本太郎代表 器物破損ですよ。警察を呼んで下さい。今のはない。どうして、あなたのものではないマイクを地面に叩きつけるのですか。すいません。これはちょっと看過できない。ちゃんと発言の機会を与えて、ということをやっているのです。物に当たるのはなしです。今、あなたが投げたマイクはみんなが献金をしてくれて買ったマイクなのです。

注2 2011年10月17日の対談(昭恵夫人がメンバーの「長州の会」主催)

 芸能界での「脱原発」を訴えることがタブー視されている中、新たに一人の芸人が声を上げた。ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんだ。10月17日に東京都・ベルサール半蔵門にて、長州友の会「これからのエネルギー~あなたはどう考えますか」が開催された。講師は「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也さん。加えてサプライズゲストとして、田村さんが登壇した。

 田村 僕はテレビに出る人間として、東京電力が悪いとか、いいとかじゃなくて、原子力発電反対とか、脱原発ということを表明すると、ものすごい、何というか、「そんなこと言った」「どえらいことを言った」というようにとられるのですよ。ツイッターで脱原発ですと言った途端、ヤフーのニュースに載るぐらいですから。

 飯田 そうでしたね。

 田村 だから、きっと俺のことを誰かが消そうとしているのだと。僕の親友の山本太郎は反原発を訴えて、芸能界から今少し退いているのです。でも、僕は凄く仲が良くて、交流があるのですけれども、何で、一人が、個人が、原発に対する思いを語っただけで、テレビから消えるのか。僕、ようやく考え始めたのです。スポンサーがテレビ局にはいて、スポンサーの悪口を言ったら消されるシステムなんだと。(悪口は)絶対に言わないでおこうと。(それでも)多くの人に訴えることができないかと思って、「反(原発反対)」ではなくて、「脱(脱原発)」を言うようになった。「徐々に原発をなくしていっても、自然エネルギーでまかなえるようになるのが一番いいのではないか」というところにたどり着いたのです。

 飯田 そこの状況は戦争中に似ている。今はまだましになりましたけれども、3・11の前は脱原発でも言ったら、いきなり放逐だったかもしれません。

 田村 「脱」というだけで実はびくびくしていて、「明日からテレビに出れなくなるのではないか」というのをちょっと感じているのです。僕、明日から消されることはないですよね。

 飯田 もう大丈夫です。

 田村 消されるようなことがあったら、そっちの方にどっぷりと浸かっていって、「脱」から「反」になっていくかもしれないし。

 飯田 不思議なのは、電力会社は独占なのに、90億円とか100億円の広告費を持っているわけです。その広告費の加減で、情報をコントロールしていく。独占だったら、広告はいらないじゃないか。

 田村 そうですね。

 飯田 そういったところもすごく変なところです。

(つづく)
【横田一/ジャーナリスト】

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