2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

北九州空港浮揚のカギは福岡空港(後)

北九州市港湾空港局 空港企画部長 小石  裕洋 氏

貨物便を担いたい北九州空港

 ――貨物便の誘致はどうですか。

 小石 新規便の誘致を考えれば、やはり滑走路の延長が大きな課題です。北九州空港には陸路の物流拠点がなく、空の通関機能も弱い。これらも大きな問題です。九州の陸路貨物の物流は、福岡空港に集約されるかたちで構築されているのが現状です。北九州空港がそこに割り込むのは、行政だけの問題ではないので、極めて難しい。ただ、旅客便同様、現在の福岡空港が新たな貨物専用機を受け入れるのは至難の業だと思います。だとしたら、新たな貨物便は、北九州空港が受け入れるのが現実的だと思います。

 ただ、現行の2,500mの滑走路では、特殊貨物を積んだ大型の貨物専用機を受け入れることができません。だから我々は国に対し、滑走路3,000m化を要望しているんです。九州、山口の大型の貨物は、関西空港や中部空港、場合によっては、成田空港までトラックで運んでいるのが現状です。北九州空港の滑走路が3,000mに延長されれば、長距離を陸送せずとも、九州からダイレクトに世界各国に飛ばすことができるようになります。

 ――貨物の拠点づくり、滑走路の3,000m化が当面の課題だと?

 小石 そうですね。いずれも福岡空港にはできないことなので、北九州空港が担っていきたいという思いがあります。現状でも、株式会社ANA Cargoさんに週5便就航していただいているので、そのポテンシャルはあるという自負はあります。今のところ、アジアへの輸出のため、しっかり荷物を集めようということで、県と共同で取り組んでいます。戻り便の荷物をどうするかについては、いろいろと協議を重ねているところです。

 ――地元企業などに対して、北九州空港に物流拠点をつくるよう働きかけは?

 小石 もちろん行ってきています。ただ、「ニワトリが先か、タマゴが先か」みたいなところがあって、すでに福岡空港に拠点をもっている物流会社にとって、北九州空港にもう1つ拠点をつくる必然性があるかどうかが、問題になります。福岡空港はアジア向けの貨物が中心ですが、たとえば、北米やヨーロッパ向けの貨物便が北九州空港から直接飛ぶことになれば、大きなインセンティブになると思います。ただ、そのためには、滑走路の3,000m化などの機能強化が必要になります。

 ――24時間空港は、旅客便にとってもメリットがあるようですね。

 小石 株式会社スターフライヤーには、深夜時間帯で羽田便を飛ばしていただいています。北九州市民だけでなく、福岡都市圏の住民の方々にも多く利用していただいています。福岡空港までの夜行バスは、県のほうで費用負担していただいています。

新幹線アクセスは容易ではない

 ――小倉駅への軌道アクセスについては、いかがですか。

 小石 空港利用客数が200万人を超えたら、調査を再開する方針です。市議会からは、東九州新幹線のルート上に北九州空港を、というご提案をいただいていますが、容易ではないと考えています。福岡空港が便利過ぎるので、北九州空港が不便だと思われがちですが、日本の地方空港のなかで見ると、むしろアクセスの良い空港です。駐車場の料金も安いですし。軌道アクセスがあるに越したことはないでしょうが、「はたしてペイするのか」が最大の課題になります。

 ――現実的には、バス路線の拡充でしょうか。

 小石 現在、バス路線は小倉線、黒崎・折尾・学研都市線、朽網線の3つがありますが、開港当初は6路線ありました。ただし利用者数が伸びなかったので、半分に減ったわけです。我々としては、現行の路線でほぼ対応できていると考えています。なるべく赤字を増やさずに、必要な便数を確保するため、バスの運行ダイヤについては、西鉄バス北九州株式会社と毎月協議しています。率直にいって、利用客が増えない限り、現在のバス路線、便数でギリギリなんです。ただ、収益的には、徐々にではありますが、改善傾向にあるので、そう捨てたものではないと考えています。西鉄バス北九州株式会社とJR九州株式会社とうまく連携できれば、もっと利用客のニーズに応えられるアクセスを提供できるようになると期待しています。

(了)
【大石 恭正】

(中)

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