合同庁舎移転&跡地活用がカギ~博多駅・筑紫口再開発(4)
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2019年11月06日 07:00

合同庁舎移転&跡地活用がカギ~博多駅・筑紫口再開発(4)

10年間で20棟の建替え誘導~「博多コネクティッド」始動

 博多駅周辺では、ビル誘致条例と新幹線開通決定を契機に、1960年代後半から70年代にかけて、一気にビル開発が進んできた経緯がある。この時期に建てられたビルは、すでに築40~50年が経過して老朽化が進行。なかには建物自体のリニューアルを行って活用している物件もあるものの、それ以外のほとんどは、すでに建物の建替え・更新期を迎えているといえる。

 そうしたなか福岡市では、19年1月に新たな再開発促進プロジェクト「博多コネクティッド」の始動を宣言。5月29日に、プロジェクトの具体的な概要について発表した。

 博多コネクティッドは、博多駅から半径約500mの約80haを対象エリアとしており、地下鉄七隈線延伸やはかた駅前通り再整備などによる交通基盤拡充に加え、容積率などの規制緩和や国の金融支援、税制優遇などによって、耐震性の高い先進的なビルへの建替えを促していくのが狙い。市が17年12月に発表した「博多旧市街プロジェクト」と併せて、周辺との回遊性を高め、都市機能の向上を図っていきたいとしている。ビルの建替え目標は、2028年末までの10年間で20棟。

 そのためのインセンティブである博多コネクティッドボーナスでは、つながり・広がりが生まれる広場の創出など、賑わいの拡大に寄与するビルに対して最大50%の容積率を緩和。また、通常は容積率の評価が低くなる、高層部に床があるような屋根がかかっている広場や通路などの公開空地の評価も、屋根がない場合と同等の評価(最大2.5 倍)が適用される。これにより、ビル自体の床面積をしっかり確保しながらも、公開空地による賑わい創出に貢献できる制度としている。また、ビルの建替え誘導以外にも、賑わい創出に向けた官民連携の取り組みを進めていくとしており、博多口の「はかた駅前通りの再整備」のほか、筑紫口エリアでは、「筑紫口駅前広場の再整備」や「筑紫口エリアの賑わい創出活動の充実」なども盛り込まれている。市の試算では、目標である20棟を建て替えた場合、10年間の建設投資効果は約2,600億円で、該当するビルの延床面積が現在の約1.5倍まで拡張されることに加え、雇用者数は約1.6倍に増加。さらに、建替え完了後には、年間約5,000億円の経済効果が見込まれるという。

 こうして、「天神ビッグバン」のいわば“博多版”といえるかたちで始動した博多コネクティッドだが、プロジェクト発表後から現在までを振り返ると、「博多スターレーン」跡地での再開発や、「福岡東総合庁舎敷地有効活用事業」での優先交渉権者決定、旧「ハイアット リージェンシー 福岡」のリニューアルなど、筑紫口エリアでの動きが目立っているように思われる。

 そのほかにも、市のハイクオリティホテル建設促進制度の2号目となる、JR九州ホテルズ(株)によるハイグレードホテル「THE BLOSSOM HAKATA Premier(ザ ブラッサム 博多プレミア)」が19年9月25日に開業したほか、20年春開業予定の「九州勧業ビル」、21年1月末竣工予定の三菱地所(株)と深見興産(株)によるオフィスビル「(仮称)博多駅前4丁目計画」など、現時点でもさまざまな開発の動きがある。

 今後、博多コネクティッドの期限である2028年末までには、さらに多くの建替えや開発が進んでいくであろうことは想像に難くない。

(つづく)
【坂田 憲治】

「博多コネクティッド」と「博多駅エ
リア発展協議会」の共同記者会見

 市による博多コネクティッドの概要発表と同じ5月29日、博多駅周辺の地権者ら17社によって、駅周辺の再開発促進に取り組む「博多駅エリア発展協議会」が設立された。会長は九州旅客鉄道(株)(JR九州)の松下琢磨上席執行役員が務め、副会長を(株)西日本シティ銀行の入江浩幸専務と福岡地所(株)の榎本一郎社長が務める。そのほかに理事にはNTT都市開発(株)、(株)竹中工務店、西日本鉄道(株)(西鉄)、西日本旅客鉄道(株)(JR西日本)、三井不動産(株)が名を連ね、会計監事を(株)福岡銀行が務めるという役員体制となった。それ以外の会員は、(株)朝日新聞社、紙与産業(株)、九州勧業(株)、(株)シティビル、住友生命保険(相)、日本生命保険(相)、(株)八百治、安田不動産(株)の8社。同会では博多コネクティッドの活用やさらなる促進策の提案に向けた協議を進めていくとしている。

 博多駅は、九州・アジアの玄関口である空港やウォーターフロント地区、業務・商業が集積する天神地区、これらの真ん中に位置し、広域交通の拠点として重要な役割を担っています。これまでも2011 年の九州新幹線開業を契機に民間ビルの建替えが進み、駅を中心に新たな活力と賑わいが生まれてきましたが、一方で、駅を中心とした賑わいの拡がりが少ないことなどの課題を有しています。今後、地下鉄七隈線の延伸など交通基盤拡充の機会を捉えて、博多駅周辺地区において耐震性の高い先進的なビルへの建替えや歩行者ネットワークを拡大するとともに、歴史ある博多旧市街との回遊性を高めることなどにより、博多駅を中心とした活力と賑わいを周辺につなげていくこととしております。この博多コネクティッドを始めとするまちづくりにより、福岡市の成長エンジンである都心部の機能強化を図り、“都市の成長”を成し遂げ、この“都市の成長”により得られる成果を、市民の皆さまの“生活の質の向上”につなげていくような好循環をつくり出していければと考えております。

福岡市住宅都市局・都心創生課

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