• このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年01月17日 07:30

アスコット傘下で事業に弾み加速する「アメイズ」マンション 一樹百穫 

綜合企画不動産コンサルタント
(株)シフトライフ

北部九州で供給してきたアメイズマンション

代表取締役 樋口 由紀夫 氏
代表取締役 樋口 由紀夫 氏

 「アメイズ」「ネオス」シリーズのファミリーマンションを販売する(株)シフトライフ。「良質でありながら、市場より抑えた価格のコストパフォーマンスに優れた住まいを提供していくこと」という、マンションデベロッパー永遠のテーマを最大の企業理念に掲げる。アメイズ・ネオスマンションは、樋口由紀夫社長の出身地である大分県日田市や佐賀県唐津市、福岡県久留米市や飯塚市などの地方都市を中心に福岡市など九州各地で供給されてきた。

 一級建築士の資格をもち、建築設計会社や地場マンションデベロッパーを経て、共同創業者とともにシフトライフを設立した樋口社長。2007年に社長に就任して以降、樋口社長が手がけてきたマンションの企画力には同業者からも定評があり、安価でありながらもネオス柳川(柳川市)やネオス堀池 ザ・スクエア(飯塚市)で採用された2.5m幅バルコニーのような「あったら嬉しい」工夫が同社のマンションには盛り込まれている。このように、マンションデベロッパーとして企画・設計力に強みをもつ同社は、中古住宅のリノベーションや戸建住宅の建築販売も手がけ、18年7月期は約28億円の過去最高売上高を計上していた。

 そして18年10月、シフトライフは東証ジャスダック上場のマンションデベロッパー・(株)アスコットの完全子会社となった。アスコットは東京都内を中心に収益不動産や「アスコットパーク」シリーズの分譲マンション開発を行うデベロッパー。子会社化の狙いについては、投資エリア拡大による収益機会の増加を挙げた。

上場企業の傘下となりギアが一段上がる

 東京駅から半径1~1.5km圏内の東京都心で開発されてきたアスコットパークと、九州の地方都市で開発されてきたアメイズ。まるで真逆の開発方針に見えるが、「ニーズに応えるマンション企画」という視点で、互いにシンパシーを感じたようだ。

 アスコット代表の濱崎氏は、「住む、働く、遊ぶ、あらゆる生活シーンで、私たちにできることはまだまだたくさんあります。私たちのつくり出す空間が幹となり、人々の暮らし、周辺環境が豊かになっていく。そんな空間を生み出すため、アスコットはシフトライフとともに挑戦を続けていきます」と九州という新境地への意気込みを語っている。

 2021年7月期の完成物件では、鍋島藩の城下町として栄えた佐賀市本庄町にて「アメイズ佐賀本庄レジデンス」(47戸)ほか、日田市(27戸)、熊本市(44戸)など次々に開発プロジェクトを投入。同期の売上高は、親会社・アスコットの連結売上高の4分の1程度を占める見通しだ。子会社化について樋口社長は「従業員の将来を考えて上場企業の子会社となることを選んだ。子会社化で事業にはずみをつけたい」と話し、上場企業の後ろ盾を受けて、シフトライフはさらに一段、ギアを上げることとなりそうだ。

アメイズ佐賀本庄レジデンス
アメイズ佐賀本庄レジデンス
アスコットパーク五反野ベッセル
アスコットパーク五反野ベッセル

ついに具現化へ 小学校跡地開発

 さらに18年12月には、福岡県宮若市の公募型プロポーザルにて、若宮小学校跡地利活用事業の優先交渉権者に選定された。小学校跡地は、校舎棟跡地とグラウンドを含む定住ゾーン(1万m2)と新設する若宮西学童保育所や体育館を含む公共ゾーン(6,000m2)に分けられる。大学教授や地元自治会長などからなる評価委員会による審査および評価が行われ、選定されたようだ。分譲マンションや戸建住宅の整備を計画しており、これまで地方都市の住宅開発を手がけてきた同社の手腕が試されるプロジェクトとなりそうだ。

 マンションデベロッパーにとって最も重要なものの、1つは、仕入れに関する「情報力」だ。同社は、年間1~2棟のペースでマンションを供給してきたが、これまでのアメイズ・ネオスシリーズでも現地の不動産情報や業界情報などの情報力を武器に安価で良質な住まいを企画することで、着実に実績を重ねてきた。

九州一円から福岡市内での開発に注力

供給エリア
供給エリア

 九州の地方都市では、実家から独立して持ち家を求める若者や、通院に便利なようにインフラが整った街中に住みたいと望む老夫婦が『2つ目の住宅』として購入する傾向が見られ、近年はマンション開発計画も散見されるようになってきた。地方都市は大手が手を伸ばしにくいこともあり、地場マンションデベロッパーの競争が続いているが、同社の強みである「安価」で「立地が良い」マンションは人気を博し、これまで好調な販売推移をたどってきた。

 さらに近年では、中古マンションのリノベーション事業にも注力。新築マンション開発で培った企画力を生かし、建物の機能やデザイン性に新たな価値を付加することで、再生させてきた。また、福岡都市圏では戸建住宅の企画も手がけ、これまで太宰府市などで供給した実績がある。

 新築マンションから中古流通やリフォーム・リノベーションなど「住宅」に関わる事業を幅広く手がける同社は、九州一円を視野に入れつつも、福岡市内での開発に力を入れていく方針。企画・設計に強みを持つ不動産業者として、上場企業の傘下となってなお、飛躍に期待したい。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:樋口 由紀夫
所在地:福岡市中央区天神4-8-25
設 立:2006年8月
資本金:1,000万円
TEL:092-791-6100
URL:http://shiftlife-corp.com

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年05月30日 07:00

危機に直面し、自らをイエス・キリストにたとえる孫正義の自信と勝負魂(4)

 このインドネシア事業については、日本ではまったく報道されないが、他にもソフトバンクの進めるアジアビジネスは広範囲におよんでいる。とくに、「アジア電力網構想」は...

2020年05月30日 07:00

どうなるこれからの新幹線 計画から50年で開業は半分(中)

 自由民主党所属の参議院議員で、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームのメンバーでもある西田昌司氏は、新幹線整備の経緯について次のように分析する。

2020年05月30日 07:00

最先端技術による“まるごと未来都市” 内閣府の「スーパーシティ」構想とは(中)

 スーパーシティによく似た言葉として、「スマートシティ」というものがある。「スマートシティ」とは、IoT(モノのインターネット)などの先端技術を用いて、基礎インフラと...

2020年05月29日 17:27

【北九州市】週明けも学校の授業を午前中のみに~新型コロナウイルス感染者増大を受け(5月29日現在)

 北九州市では、5月23日から28日にかけ連続で感染者が発生し、28日は21名と大きく増えている...

2020年05月29日 16:18

国交省・民都再生事業に認定 「舞鶴オフィスプロジェクト」8月着工へ

 国土交通省は今年4月21日付で、「舞鶴オフィスプロジェクト」を民間都市再生整備事業として認定した...

2020年05月29日 16:00

国交省が中間とりまとめ ESGを踏まえた不動産特定共同事業の検討会

 ESG投資の拡大やブロックチェーン技術の台頭、クラウドファンディング市場の拡大など、不動産を取り巻く環境は近年大きく変わってきた。このような潮流を踏まえ、国土交通省...

2020年05月29日 15:53

どうなるこれからの新幹線 計画から50年で開業は半分(前)

 新幹線とは、「時速200km以上で走行できる幹線鉄道」を指す。1964年に開業した東海道新幹線(東京~新大阪)以来、75年には山陽新幹線(新大阪~博多)、91年に上...

2020年05月29日 15:41

ホテルオークラ福岡、レストラン店舗の営業再開を発表

 ホテルオークラ福岡は6月1日より、同ホテルのレストラン店舗の営業を再開すると発表した

2020年05月29日 15:00

厚生労働省公表の「ブラック企業」 4月30日発表 九州地区(福岡を除く)

 20年4月30日に公表(20年3月31日更新分)された福岡を除く九州地区分は下記の通り...

2020年05月29日 13:44

中国WeChat「ミニプログラム」の状況~ネット利用時間の3分の1はWeChatに

 中国において、インスタントメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」が生活上、仕事上において大きな存在となっていることはよく報じられている。WeChatなしでは人...

pagetop