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2019年11月20日 10:00

誰もが「自分の未病の医者」になれる 未病メソッドを提唱し、未病産業を振興(2)

(一社)日本未病総合研究所 代表理事 福生 吉裕 氏

未病を治す主役は自分である

 さて、「健康寿命」という言葉が広く行きわたってきております。この言葉は、介護保険制度(2000年)ができてから一躍有名になりました。日本人の平均寿命が世界でもトップクラスであるのは、ほとんどの日本人は知っていたのですが、実は他人による介護を必要としたもので、寝たきりで、ただ生きている時間(不健康な時間)が男性は9年間、女性は約12年間もあることがわかってきました。

 これに衝撃を受けたことは、ご存じの通りだと思います。そこで「健康寿命を延ばそう」という大合唱が起こったのですが、ではどうすれば良いのでしょうか。その答えははっきりしませんでした。

 健康寿命という名前は定着しましたが、それを延ばす方法は知られておりません。メタボ、ロコモ、フレイルなどの横文字のキャッチフレーズが雨後の竹の子のように出てきましたが、これらは万能の救世主ではありませんでした。ウォーキングや脳トレなども良いと言われていますが、行う人はごく一部です。

 介護になる前は自覚症状がないので、自分はまだ大丈夫と思い込んでいるのです。ここの意識の改革が必要なのです。行動を変えるためには、腑に落ちてわかる「理解」が必要です。

 実は、健康な状態から、突然に介護が必要になるのではありません。未病という前段階の状態があることが、知らされていなかったのです。未病という状態がゾーンとして存在しているのに気づいていれば、急激な介護状態に入ることは防げたはずなのです。ミクロ未病学はこのゾーンを科学しています。

 健康と思っていても、40を過ぎるとほとんどの人は未病が忍びよってきます。いかに感じ、どう対処するかが「未病メソッド」なのです。日本の未病人口は、約6,000万人とされています。未病総研ではこの40歳からの未病をわかりやすく啓発して、健康寿命を延ばそうとするのです。

 未病メソッドの基本は、まず未病リテラシーの浸透です。未病リテラシーを向上させるには、未病の存在を知ることから始まります。未病は健康と病気の間や、介護になる前の状態に隠れているのです。それを発見しておかねば健康寿命は延ばせません。そして、未病の定義、範囲を知ってもらい、未病ケアの実践へと向かいます。これをスムーズに行わせるのが未病メソッドなのです。

※クリックで拡大

古典からの脱却と現代未病の活用

 未病総研では、「現代未病」を提唱しています。これは現在の少子高齢社会に応用できる未病のことを言いますが、根本的なところは「誰もが自分の未病の医者になれる」ということにあります。たとえば未病の原典といわれる中国最古の医学書、黄帝内経には、「聖人は已病を治すのではなく、未病を治す」という立派な言葉が記されています。これは未病を治すのは名医であるとしています。これが古典的未病の考え方です。こうして未病は名医にしか扱えない難しい秘伝となってしまったのです。

 これに対し、未病総研が提唱する現代未病の考え方は、「未病を治す主役は自分、つまり国民1人ひとりが未病の医者になってもらう」ことなのです。まず、基本的医学知識の普及です。そうなると無駄な医療費も少なくなり、また、過剰な医療もされなくて済み、医療側にとっても医療訴訟が起こりにくくなります。自分の未病のところを知り、セルフドクターとして自らが「上医」となり「聖人」になるのです。これが現代未病の根本的な考えです。医者と患者は対等な関係になるのです。それをしやすくするのが未病メソッドなのです。

 未病総研が勧める「未病サポーター」は、この役目を担う実践者です。自らが未病リテラシーに則って進んで行動を変え、啓発活動を行います。一方で「元気な100歳プロジェクト」を立ち上げます。

 これは、若者たちから逆に長生きをしていただきたい方を選ばせてもらうプロジェクトです。高齢社会に求められる“元気な高齢者”になるのです。これは、少子高齢社会でのブレイクスルーになります。求められる高齢者として尊敬され、表彰されます。会社では健康経営につながり、自身も未病にうまく対応できるようになります。

 マクロ未病学的として将来、年金の優遇制度などもできるようにしたいと思っています。ただ、こうした考えを国民に理解してもらうのは簡単ではありません。これが、未病総研のこれからの仕事なのです。

(つづく)
【吉村 敏】

<プロフィール>
福生吉裕(ふくお・よしひろ)
 
医学博士。1947年生まれ。日本医科大学卒。三重県出身。
日本医科大学連携教授。(一財)博慈会老人病研究所所長。(一社)日本未病システム学会前理事長。

 1995年第1回 東京未病研究会創設会長。1997年、日本未病システム学会を設立、常任理事。2003年、第7回アジアオセアニア国際老年学会においてMibyouシンポジウムを開催。博慈会老人病研究所紀要「未病と抗老化」編集長。2013年、第20回日本未病システム学会会長。2014年日本未病システム学会理事長。2019年、(一社)日本未病総合研究所代表理事。
資格/日本未病システム学会認定未病医、日本内科学会認定内科医、日本動脈硬化学会評議員・功労会員、日本老年医学学会指導医・評議員。中国長春中医薬大学客員教授。

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