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2020年01月30日 08:00

開業20周年を迎え「おもてなしの顔」 5年、10年先を見据え、内部の充実を図る 一樹百穫 

ホテル経営
(株)ホテルオークラ福岡

20周年でフレンチの進化を発信

 日本を代表するホテルチェーンとしてホテルオークラ福岡は1999年3月、大型複合商業施設「博多リバレイン」の主要テナントとして開業した。開業以来、福岡のおもてなしの顔として、国内外の要人やビジネス・観光客の受け入れ、結婚式、パーティー、イベント、飲食などさまざまな需要に高品質のサービスで応えてきた。ロビーに博多祇園山笠の舁き山やひな人形など展示して、ホテルを訪れる人に博多の良さや季節を楽しんでもらおうと、文化発信にも力を入れてきた。

グランシェフの夕べ
グランシェフの夕べ

 そのホテルオークラ福岡が、開業20周年を迎えた。20周年記念事業の1つが、9月1日に開催した「グランシェフの夕べ」だった。

 これは、代表取締役社長・髙栁健二氏が企画、ホテルオークラ神戸の中田肇総料理長、京都ホテルオークラの善養寺明総料理長の2人を招き、ホテルオークラ福岡の谷内雅夫総料理長の3総料理長による賞味会であった。3人は、ホテルオークラ東京草創期の総料理長・小野正吉氏に師事し、赴任先の京都、神戸、福岡で現地の食材や文化に触れ、それぞれの料理を進化させながら自分の世界を創ってきたオークラフレンチの顔でもある。3人の総料理長がつくり出す料理の数々は“オークラのフレンチの進化”を参加者に強烈に印象づけた。

「グランシェフの夕べ」での3総料理長

従業員への感謝をかたちに

 質の高いオークラのサービスを提供するためには、提供する側である従業員のやる気と組織としての団結力が不可欠である。

代表取締役社長総支配人 髙栁 健二 氏
代表取締役社長総支配人 髙栁 健二 氏

 20周年記念事業で髙栁氏は、ともに働く従業員への感謝をかたちにしたいと考えた。そこで企画したのが、社員向けの家族招待会だ。「十分ではないかもしれないが、できる限りのことをしたい」と、従業員とその配偶者や家族までも招待し、オークラが誇る料理の数々でもてなした。招待会を通して、日頃から力を尽くして働く従業員と従業員を支えてくれている家族に楽しんでもらいたいという髙栁氏の思いは通じたようで、参加者の評判は上々だった。食事と会話を楽しみ、家族が働く職場を見る機会にもなるこの会は、家族の喜びと家族の応援、従業員満足、そして社内の結束を高める効果を発揮したようだ。

 また、2016年からは社員旅行も毎年実施している。熊本地震の復興の様子を従業員にも知って欲しいと始めた研修も兼ねた旅行である。震災後のキャンセルで苦戦していた別府から始まり、昨年は大分、そして今年は熊本県山鹿市と熊本市内を訪問した。スケジュールの都合で、2班に分かれて旅行を実施しているが、同社が従業員満足をいかに大切にしているかがうかがえる。

25周年、30周年を見据える

 20年という1つの節目を迎えたが、髙栁氏はその先のホテルの姿を思い描いて次の手を打つ。近年、福岡にはインバウンド需要の増加を見込んで新規ホテルが次々と開業し、競争が激しさを増している。一方で、外交関係といった政治的な影響を受けやすい業界でもある。

ホテル外観
ホテル外観

 こうした状況下で、「今はさまざまな動きを見ながら今後の流れを捉えようとしているところですから、20周年というタイミングで施設のリニューアルといった大きな投資の必要性は感じてはいない」としながらも、「福岡を代表するシティホテルの1つとして、客室や付帯施設などの価値をどう保っていくかということが必要になりますから、25周年、30周年に向けた計画に着手しました」と新たな動きをみせる。詳細については明らかにしていないが、バーやレストランのフル活用も進めながら、時代のニーズに合わせた宿泊のスタイル、ホテルを楽しむための新たな施設の開設なども視野に入れ検討を重ねることだろう。

 ソフト面での改革にも取り組んでいる。たとえば、国連が掲げたSDGs(持続可能な開発目標)など、環境への世界的な意識の高まりは宿泊客へのサービスにも変化を求める。同社でも、環境へ配慮しながら宿泊客の満足度を高めるために知恵を絞るなど、企業としての社会的な役割を果たせるよう努めている。

オークラアカデミーを開校

 組織を構成するのは人であり、人材の確保・育成が企業の成長には不可欠である。とくに、人がサービスを提供するホテル業界は、人の育成が業績に大きな影響を与える。それが、オークラクラスともなると、なおさらだ。

 髙栁氏は、新規採用だけでなく、働く人の持続性を高める環境整備と人材育成に力を入れることが重要だと考えている。そこで、8月から「研修センター」を開設した。ここで、社内会議や新入社員の研修を行う。加えて、10月から「オークラアカデミー」を開校した。社内向けのプログラムとして、グループ本部の教材を使ってホテルの運営管理、会計の基礎、商品知識、関連法規、一般的なビジネスレターの書き方や英文ライティングなど、営業からホテル運営に関わるさまざまなカリキュラムを用意した。「いわゆる社内寺子屋といったところです」と髙栁氏は従業員の成長を願う。

 アカデミーは半年を1クールとし、希望者は誰でも講座を受けることができる自由参加型だ。講師は社内の管理職が務め、髙栁氏もビジネスレターの書き方や英文ライティングの講座を受け持っている。軌道に乗ってきたら一般人向けに学校と提携するなどして、生徒を受け入れたいと考えている。そうなれば、人材の確保にもつながるだろう。

 人材のレベルアップによって、福岡におけるオークラブランドはさらに高まるに違いない。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:髙栁 健二
所在地:福岡市博多区下川端町3-2 
設 立:1996年2月
資本金:5億円
TEL:092-262-1111
URL:https://www.fuk.hotelokura.co.jp

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

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