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2020年01月09日 14:00

唯一無二のコンセプトワークで、次なるレジャーの新境地へ(中)

カトープレジャーグループ 代表取締役兼CEO
加藤 友康 氏

オリジナリティのある店舗展開

 ――銀座の東急プラザのうどん店「TsuruTonTan UDON NOODLE Brasserie 銀座」は、平日も店の前に行列ができていますね。ほっとする雰囲気で、ほかにないメニュー構成や店づくりを感じます。

次なるスタイルの「つるとんたん 渋谷」
次なるスタイルの「つるとんたん 渋谷」

 加藤 ホテルでもそうですが、店舗のインテリアデザインは、コンセプトやプランをつくり、イメージをかたちにしていきます。「つるとんたん」の銀座店は、デザイナーのなかでもトップの小坂竜氏の感性とKPGの考え方が融合した空間です。居心地の良さという点では、広い店舗のなかでプライバシーを確保できるように配慮しています。

 渋谷スクランブルスクエアの「つるとんたん」もそうですが、高いビルから見える景色を楽しめる工夫が大切です。数寄屋橋交差点や渋谷スクランブル交差点が見える景色も、デザイナーに任せきりにせず自ら提案しています。何度来ても楽しめる店づくりという点では、広い店のなかでもコーナーによって雰囲気が違うインテリアが特徴です。「つるとんたん」の銀座店はインバウンドの需要もあるので、日本の遊びを取り入れて相撲や歌舞伎の部屋をつくり、日本ならではの世界を表現しています。

 ――オリジナリティのある店舗は、どのように生まれるのですか。

 加藤 新しいアイデアは、いつも考えています。KPGでは、なかでもコンセプトワークにとても時間をかけています。マーケティングして、それぞれの場所に合ったコンセプトで世の中にない店舗をつくりたいという考えから、アイデアを出しています。

 空間のつくり方も、とてもこだわっています。ホテルやリゾートで培った経験から、家具1つとってもエリアごとのデザインのユニークさに注目し、数多くの種類を使っています。「つるとんたんUDON NOODLE Brasserie渋谷」では、音にこだわったDJブースを設け、スタジオのイメージを取り入れたつくりで、新しいライフスタイルを感じられます。

 オペレーションもデザインなどのクリエイティブも、KPGがつくったコンセプトをデザイナーや運営者に伝えて、つくり上げています。クリエイティブのチームがアイデアを出しますが、現場を把握しているオペレーション担当者からの提案も非常に重視しています。お客さまの声も大切ですが、すべての声を聞きすぎるとファミリーレストランと同じになってしまうので、判断が必要です。店舗にかける情熱や創造力をその場所に合わせて表現することで、画一的でないオリジナリティが生まれます。

コンセプトワークで今までにないレジャーに

 ――ホテルやリゾートでは、その土地がもつ歴史や文化を生かして表現されていますね。

境界のない森のリゾート「ふふ 河口湖」
境界のない森のリゾート「ふふ 河口湖」

 加藤 大きく3つの考え方をもっています。1つ目は、場所を良く見ることです。「ふふ」シリーズなどのスモールラグジュアリーリゾートでは、世界に発信できる日本を代表するリゾートとして、妥協することなく新しいプロジェクトを選んでいます。

 2つ目は、その場所に応じた、歴史や文化など土地の持つ力を生かすコンセプトを大切にしています。「熱海 ふふ」や「ふふ 河口湖」でお客さまの心に響いた方法をほかの場所でも踏襲するのではなく、それぞれの施設の運営体制を場所に応じて構築しています。

 3つ目は、ホスピタリティです。「最高のおもてなしをしよう」という心をもち、場所に合わせたオペレーションが大切です。レストランのコンセプトに合わせて、メニュー構成も1から考えています。

 ――まず、コンセプトありきですね。

全室オーシャンビューの「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」
全室オーシャンビューの「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」

 加藤 デザインや食事、歯ブラシ1本からの選び方から、コンセプトを表現します。たとえば、「Kafuu Resort Fuchaku CONDO・HOTEL」(カフー リゾート フチャク コンド・ホテル)の2021年開業予定のA棟プロジェクトは、これからの時代に必要なエグゼクティブリゾートとして、自然と調和し、水とビーチが融合したウォーターフロントのつくりです。テラスのプールでは、水のなかで夕日を眺められるように、クリエイターチームが設計しています。

 また、かつて三井財閥の別荘として知られた「箱根・翠松園」は、心安らぐ自然環境があります。内に秘められた伝統的な和の食文化や、四季の移ろいが体感できることをコンセプトにしています。

 「ふふ 河口湖」は、「境界のない森のリゾート」としてファシリティ(施設・設備)のアイデアを思いめぐらせ、自然をよみがえらせる試みをしました。リゾートの周りには木を残し、建築時にその地に生息していた木や石を使ったインテリアを取り入れました。レストランでは、「甲州富士桜ポーク」や「甲州牛」など地産地消の食文化を体現しています。

 さらに、薪やスモークの匂いも料理手法に取り入れて、土地そのものを心で感じられるつくりにしています。コンセプトがあるからこそ、方向性が見えきます。唯一無二でほかにないものをつくるためには、コンセプトをどう表現するかが大切です。

 ――とても豊かなアイデアをお持ちですね。新事業ではどのような内容をお考えですか。

 加藤 新しいリゾートのイメージは、日々、これからのライフスタイルを思い描くなかで、ふと思いつくものもあれば、深く考えるものもあります。たとえば、2021年開業予定の「ふふ 京都」は、思い浮かんだアイデアから、来年5月に開業する「ふふ 奈良」とは違う幽遠な花柳界の匂いをコンセプトに取り入れています。

 ――場所は、どのように選んでいますか。

 加藤 これまでの経験から、場所を見ると居心地が良いかをすぐに充てることができます。

 リゾートに合う土地には、アクセスの良さや近隣の雰囲気、車の音や人の多さなど、さまざまな条件があります。しかし、「箱根・翠松園」を見たときに、リゾートの条件を越えていい場所だと感じました。およそ100年前に三井家がこの土地に別荘をつくった理由がわかる場所でした。外も道路が近く、ほかの建物との距離も近いですが、「内なるリゾート」にしようと建築的な技術で解決しました。

(つづく)
【石井 ゆかり】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:加藤 友康
所在地:東京都千代田区大手町2-6-2
   (東京本社)
設 立:1962年4月
資本金:7,150万円
売上高:約250億円(グループ合計)

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