2022年01月25日( 火 )
by データ・マックス

検察の闇? 不正放置の日本郵政と東芝に 検察OBが続々と天下り!(2)

 かんぽ生命の不正販売をめぐる情報漏洩問題が発覚した日本郵政グループや、2,000億円超の粉飾決算が判明した東芝に、なぜ捜査のメスが入らないのか。その謎を解明すべく調べを進めたところ、元検事の弁護士たちが続々と両社で社外取締役などの要職に就いていたことがわかった。

取締役、第三者委員ともに検察OB

 では、なぜ東芝と日本郵政グループの不正は刑事事件化されないのか。大企業や官僚、政治家などの犯罪を次々に摘発してきた検察はなぜ、捜査に動こうとしないのか。

 その謎を解明するために取材を進めたところ、見過ごしがたい事実が判明した。それは、元検事の弁護士が続々と両社で社外取締役などの要職に就いていることだ。ここに掲載した【表】は、その事実が一覧できるようにまとめたもの。

 まず、日本郵政グループ。真っ先に目を引くのは、グループの持株会社である日本郵政が検察の最高位である検事総長経験者の弁護士を2人(原田明夫氏と笠間治雄氏)、立て続けに社外取締役として迎え入れていることだ。さらにグループ傘下のかんぽ生命とゆうちょ銀行でも高検検事長まで務めた大物検察OBが3人も社外取締役に就いている。ここまで派手に大物検察OBたちを要職に就けていれば、悪質な情報漏洩事件に捜査のメスが入らないこととの関連性を疑われても仕方ない。

 さらに注目すべきことがある。日本郵政がかんぽ不正販売問題の原因解明などのために設置した特別調査委員会の委員3人の顔ぶれだ。委員長を務めた元最高検次長検事の伊藤鉄男氏をはじめ、寺脇一峰氏、早川真崇氏の委員3人はいずれも検察OBの弁護士なのだ。

 つまり、検察の大物OBが続々と天下っている日本郵政グループの不祥事について、調査したのも検察OBだったのだ。これでは、調査の公正さが疑わしくなってくる。

 一方、東芝はどうか。まず目につくのは、検事総長経験者の弁護士・筧栄一氏を社外監査役、社外取締役として迎え入れていることだ。粉飾決算が発覚した2015年には、筧氏はすでに死去していたが、東芝が検事総長の天下り先となった「実績」は消えない。現職の検察幹部たちも当然、この東芝の「実績」を知っていたはずだ。

 一方、東芝が粉飾決算を行っていたとされる時期に社外取締役を務めていたのが、清水湛氏。法務省民事局付検事としてキャリアを重ねたのち、最高検検事を経て裁判官に転じ、広島高裁長官にまで出世した人物だ。社外取締役は外部から経営を監督することが期待される役職なので、この清水氏も東芝の粉飾決算に関する責任が皆無とはいえない。

 だが、東芝が証券取引等監視委員会の立入調査を受け、社内に設置した特別調査委員会には、元大阪高検検事長の弁護士・北田幹直氏が委員として名を連ねていた。さらにその次に設置された第三者委員会で委員長を務めたのは、元東京高検検事長の弁護士・上田廣一氏だ。検察OBが社外取締役を務める企業の不正について、別の検察OBが調査するという構図は、かんぽ不正販売問題に関する日本郵政グループの特別調査委員会とまったく同じである。

 そして不正が刑事事件化されずに済んだ東芝は、新たに元最高検次長検事の弁護士・古田佑紀氏を社外取締役に迎え入れている。加えて、東芝が歴代の社長3人、CFO2人を相手取って起こした損害賠償請求訴訟では、元広島地検次席検事の弁護士・山口幹生氏が東芝の弁護団に名を連ねている。

 これでは、東芝と検察が「ただならぬ関係」にあると見られても仕方ない。

(つづく)
【ジャーナリスト/片岡 健】

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