2024年04月19日( 金 )

連載 東亜大学~疑惑の指導者更迭(5)─大学内部の統治を考える

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 過去、当NetIB-Newsでは(学)東亜大学学園の東亜大学の学校経営マネジメントに対して、疑義を報じてきた。今回、「東亜大学の女子柔道部の監督が昨年9月に突然更迭された。客観的に当該監督は、何ら落ち度はないにもかかわらず…。監督本人そして関係者は当惑している」とする旨の情報が外部関係者から弊社へもたらされた。

 学校法人自体の浄化・改革を4回にわたって、東亜大学女子柔道部監督の疑惑の更迭について連載してきた。

 事の真偽について、同学に取材を申し込んだ。以下に同学とのやりとりを記す。

記者:「昨年(2019年)9月に、女子柔道部の監督が解任・更迭されたという情報が、外部より当社へもたらされました。それは事実ですか?」

東亜大:「解任・更迭ではありませんが、以前の監督が退任したことは事実です」

記者:「外部からの情報では、“大学側からの一方的な通告で解任・更迭された”という旨の内容でしたが?それについて、ご回答いただけますか?」

東亜大:「個人情報および内部情報でありまして、学内の人事のことですので回答はできかねます」

記者:「当時の監督が辞めねばならない理由は、何かあったのでしょうか?」

東亜大:「そちらも同様の理由で、回答できかねます」

記者:「そうですか。失礼ですが、お名前をお聞かせいただけますか?」

東亜大:「名乗る必要はないかと思います」

 同学側からの見解は、「女子柔道部の監督は“退任した”」ということであった。しかし、大学から辞めさせた・解任したとすることは、明らかにしなかった。

 記者も大学スポーツ界に一時期携わったことがある。今回の「監督、突然の更迭」という類いの話は、時々聞かれることだ。その原因は“ヒト・カネ”である。ヒトとは、部内の監督・部長とコーチングスタッフとの衝突やそれにともなう専横的な人事を実行したり、イエスマンのみを配下に置いて部の運営を独占したりする監督や部長。カネは、部内予算を我が物にするなど、部の全権を掌握するために学校側を懐柔する…。すべては、監督や部長の好き嫌いや自己利益のために、社会通念では通じないこと─企業なら、100%“クビ”になる行為が平然と行われている。

 監督や部長が「気に食わない」と判断したら、部のトップマネジメントとする専権事項で、学生および周辺の評価の高いコーチやスタッフを解任するなど日常茶飯事で行われている。今回連載した件が、それにあてはまるかどうかは不明だが…。それでも結果として、正当な理由なくして将来ある指導者のその道を閉ざした同学。

 同部が1人の人物に専横化され、それを見過ごす櫛田理事長兼学長は無能であることは明らかだ。つまり、学内が正しく統治されていない。このような大学でも国から補助金が投じられている。たとえ私立の大学であっても、公益性は求められる。大学のマネジメントを私物化することは許されない。何よりも現役学生が不憫である。

 「東亜大学柔道部の浄化は、その“重鎮”が去ることから始まる。そして、東亜大学が再興するには櫛田理事長兼学長が去ることがベスト」と当学周辺から声が上がっている。経営面でも苦戦続きの同学。一部権力者の専横が見過ごされることは、さらに同学マネジメントの劣化に拍車をかける。存続を願うなら、心ある同学関係者が立ち上がることだ。

(了)
【河原 清明】

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