2024年04月24日( 水 )

【縄文道通信第26号】危機とサバイバル、縄文道と利他主義

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(一社)縄文道研究所 代表理事 加藤 春一 氏

 故・梅原猛氏(哲学者)は約1万4000年続いた縄文文化は日本人の精神の源流で基層であると論じた。
 この歴史的事実と精神性があったので歴史的なあらゆる艱難辛苦を乗り越えることができたと喝破した。

 氏は縄文文化のパワーと精神性が
1.環境適応力 2.日本化力 3.復元力 の基本を形成したと分析した。

 世界的な歴史学者、哲学者のユバル・ノア・ハラリ博士は、AI、ロボット、時代に生き残るためには、狩猟時代(縄文時代)の人間を再度見直して、現代人が失いつつある五感を鍛え第六感を養うことが重要だと主張している。

 さらに世界的な思想家、経済学者のジャック・アタリ博士は、新型コロナによる、全人類の危機を乗り越えるためには利他主義(合理的な利己主義)の実践が必要だと警告している。

 縄文文化を高く評価するカリフォニア大学のジャレッド・ダイアモンド博士は新型コロナの危機を乗り切るには人類が「協働」の精神で協力することを強く訴えている。

 「縄文道」は2018年1月12日に特許庁から商標登録の認可を受けたが、申請時から一貫して主張してきた、縄文道の 特に普遍的な精神は以下4点であった。
1.自然との共生、共存
2.武器を作らない平和思想
3.母性文化の母体―男女分権の理想
4.富の分配の平等、公平性
 上記の文化的特徴があった故、1万4000年もの長期に自然と共生した平和な文化を形成できたのだ。

(一社)縄文道研究所 代表理事 加藤 春一 氏

 日本には縄文文化の後、紀元660年神武天皇以降の、神道、仏教、儒教、道教の統合した、日本人固有の倫理システム(ETHYCAL SYSTEM)を、「武士道」と命名したのが新渡戸稲造博士だ。
 新型コロナという、未曾有の危機に直面した日本は、今こそ「縄文道」と「武士道」を歴史的一貫性として捉え、協働の精神で一致し総合的日本人力を発揮する時が来たと思う。
 「環境適応力」は緊急事態宣言の三密を避けて80%外出を控える自粛要請が実現できるかが試されているが、日本国民の縄文時代からの特性を考えれば可能と考える。
 「日本化力」では既にインフルエンザの治療薬で市場にあるアビガンを中心とした治療薬が存在する。政府主導で臨床実験とその後の認可手続きの迅速化をはかり早期投与が求められる。
 更に阪大のベンチヤーのアンジェスが推進するDNA デオキシリボ核酸がワクチンの開発で一歩先んじているようだ。政府主導で認可を早め、壁の高いWHO認可を進めるロビー活動が成功すればまさに梅原 猛氏が主張する縄文文化の精神の「復元力」に繋がると確信する。

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