『脊振の自然に魅せられて』「山で輝くキンラン」(金蘭・ラン科)
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5月になると山は樹木の花や種々の山野草でにぎやかになる。椎原の登山口から矢筈峠へ登り、縦走路を脊振山方面から椎原峠方面へ歩いていると1本の黄色い花が目に飛び込んで来た。「会いたい」と思っていたキンランである。
椎原峠まで10分の下りの登山道だが、大きなアカガシの根元で登山道から隠れるように1本のキンランが咲いていた。
「やっと出会えた」私は小躍りして、ザックからカメラを取り出し、同行者そっちのけで撮影した。ときには腹ばいになり、花全体やクローズアップなど、“飽きるほど”シャッターを切った。キンランの背丈は約50センチ。色は独特の品のある黄色で、ほとんどが1本、2本と“孤独”に咲いている。
登山者は、この花が貴重な花と知っているので、見つけると小石や木の枝で根元を囲んで保護し、「生き続けてほしい」と願っている。キンラン(金蘭)は誇り高く咲き、ギンラン(銀蘭)は背丈こそ同じだが、雑木林の中で目立たぬように咲いている。
シュンラン(春蘭)、エビネラン(海老根蘭)と合わせてラン科の植物は盗掘されることが多い。山から持ち帰って園芸店に売ったり、また自宅の庭に植えたりするのである。ここで出会ったキンランにその後、出会っていない。盗掘にあったのかもしれない。会員の副代表 Tはこの周辺で見かけたことがあると言っていた。キンランに出会うと幸せな気持ちになるので、いつか会える日を期待している。
2020年5月21日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行関連キーワード
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