マカオの「カジノ王」スタンレー・ホー氏が逝去
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国家安全法の制定をめぐり、香港情勢が再び国際社会の注目を集めるなか、中国のもう1つの特別行政区であるマカオの経済発展に寄与したスタンレー・ホー(何鴻燊)氏が逝去した。享年98歳であった。ホー氏はマカオのインフラ整備などに大きく貢献し、同地最大の富豪となった立志伝中の人物であり、そのグループ会社は不動産、マカオ~香港間とのフェリーなど多様な事業を展開している。
マカオの中心に位置し、観光客の多くが訪れるカジノホテル「ホテルリスボア」もホー氏の代表的な事業の1つである。ホー氏の会社は21世紀初頭まで同地のカジノの運営権を独占していたころから、ホー氏は「マカオの盟主」「カジノ王」とも呼ばれ、マカオのみならず香港の政財界にも大きな影響力を有し、また中国の全国政治協商会議の常務委員も務めていた。
ホー氏の個人資産は700億香港ドル、一族で5,000億香港ドルの資産を有するといわれ、また妻が4人、子どもが計17人ということでも有名だ(うち第一夫人と子ども2人は故人)。近年は寝たきりの生活を送っていたとされ、事業の継承や巨額の資産をめぐって一族内で揉めたこともあった。
ホー氏の築いた事業は今後どうなっていくのか。有力な後継者とされているのが、第二夫人の娘のパンジー・ホー(何超瓊)氏であり、ホー氏の企業グループの持株会社として不動産や香港・マカオ間のフェリー事業などを展開する信徳集団を束ねている。ただ、一族には、その妹でホー氏の4番目の妻でカジノ運営会社SJMホールディングス共同会長、マカオ立法委員であるアンジェラ・レオン(梁安琪)氏、SJMホールディングスの会長であるデイジー・ホー(何超鳳)氏などがおり、ホー氏の生前から争いは行われていたが、ホー氏の死後、争いは激しくなっていくのか注目される。
【茅野 雅弘】
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