「スーパーシティ」構想で再注目 九大・箱崎キャンパス跡地のポテンシャル(前)
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九大と歩んだ100年超の歴史に幕
内閣府の「スーパーシティ」構想が実現に向けて歩を進めるなか、福岡市内における適地と目されているのが、東区の九州大学・箱崎キャンパス跡地だ。ここで改めて、同地の概要や、跡地再開発をめぐるこれまでの動きについておさらいしておこう。
九州大学の発祥の地である箱崎キャンパスは、かつては工学系、理学系、農学系、文系が集積した九州大学の本拠地であった場所だ。すぐ近くを多々良川や宇美川が流れる河口付近の平坦地であり、古くから「筥崎宮」の門前町や唐津街道における宿場町として栄えてきたほか、1911年に九州帝国大学(現・九州大学)が創立して以降は、学問のまちとしての歴史を積み重ねてきた。福岡市の都心部からも近いほか、福岡空港や博多港、博多駅、福岡インターチェンジなどの陸海空の交通・物流拠点が半径6km圏内に点在。キャンパス周辺にも福岡市地下鉄箱崎線、JR鹿児島本線、西鉄貝塚線などの駅があって交通アクセスも良く、すぐ近くには東区の行政上の中心地である東区役所も立地するなど、非常に高いポテンシャルを秘めた場所だといえよう。
1991年、九州大学ではキャンパスの分散化(63年に教養部が中央区六本松に移転。ほかに粕屋町の原町農場など)や建物の老朽化などの問題を背景に、福岡市西区と糸島市にまたがる新たな「伊都キャンパス」への統合移転を決定。伊都キャンパスの整備工事がスタートすると、その後は05年の工学系を皮切りに3つのステージに分けて段階的な移転が進められ、18年9月末をもってすべての移転が完了した。現在は旧工学部本館などの一部保存が決定している建物を除いて解体が進み、次々と更地化している。
こうして同地は、100年以上にわたって九州大学とともに歩んできた歴史に幕を下ろし、今後、次なる100年に向けての新たな歩みを進めていくことになった。
(つづく)
【坂田 憲治】
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