2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

トラブル頻発が表面化した産廃業者(6)控訴棄却

 大分市の産廃処分場運営の(株)大分大和(同市片島、根本学代表)がここ数年で過去の取引先を相手に訴訟を頻発させている。訴訟トラブルの背景には、経営者の交代が関係している可能性が高い。関係者への取材を進めると、元代表が締結した契約について、現経営陣がそれを否定するかたちで取引業者を提訴していることがわかっている。

産廃処理費用をめぐる〈2つの料金表〉

大分大和の処分場には、許可されていない、
木材などの廃棄物も積み上がっている

 「本件控訴を棄却する」―前項(5)で、単価契約をめぐる取引先との控訴審において福岡高裁は20年1月23日、判決を言い渡した。

 原告は大分市内で産業廃棄物の最終処分場を運営する(株)大分大和で、被告は福岡県内の中間処理業者C社。大分大和は廃棄物の処理費用を〈1m2=2,800円〉で契約したと主張し、未払となっている1,927万円を請求。一方C社は、前払金を前提とした契約単価〈1m2=1,500円〉の取引だったと主張している。

 大分地裁は2019年6月27日に原告・大分大和の請求を棄却していたが、大分大和はこの判決を不服として控訴。高裁判決によって再び、C社の主張が認められたかたちだ。

元代表が交わした契約について、「追認」はあったのか?

 裁判の論点は、廃棄物処理費用について、C社が主張する、大分大和の元代表と交わしたという契約〈1m2=1,500円〉と、大分大和側の主張する〈1m2=2,800円〉のどちらを採用するのかということだ。

 原判決は、15年9月~10月頃にC社が大分大和の元代表取締役である川島淳子との間で交わした代金額についての合意(1,500円/m2)は、川島氏が大分大和側に無断で交わしたものと認定し、さらに大分大和は合意を「追認」しているとして請求を棄却した。

 しかし、大分大和は控訴審で合意の追認について、「誰がいつ追認したかを明確に認定していない」と主張。16年3月28日にはC社と善後策について協議しているが、そのことを「(合意の)追認」と判断されたことについても、追認はなかったとしている。さらに大分大和はC社に対して、単価が「1m2当たり2,800円」として2カ月分の代金を請求しており、このことも「追認」を否定する根拠とする。

 C社はこれに対し、大分大和側は遅くとも新しい契約を締結した同年5月19日に処理料の単価を追認したと主張。C社が根拠としているのは、大分大和の取締役であるK氏が、同年3月28日と4月4日に、C社の営業部長A氏に対して「残り分だけ搬入を再開してください」と連絡したこと。この連絡こそ、追認行為に基づいたものだとした。

疑惑の「1円」売却

 この裁判を演劇に例えれば、メインキャストは大分大和の元代表取締役である川島淳子氏と、大分大和を買収して17年3月に第三者に譲渡したトーヨーホールデイングス(商号変更前:(株)トーヨービル管理)オーナーの岡田吉充氏だ。トーヨービル管理は、川島氏が大分大和を買収するために3億円を出資しているが、岡田氏はその大分大和をなんと「1円」で第三者に売却している。

 控訴審の判決を受け、C社代表は以下のように語っている。

 「いわれのない請求を受けて憤っていたが、主張が前面的に認められてほっとしている。川島さんは当初、『正直に話す』と言っていたが、法廷では真逆の証言をした。このことについて、『圧力がかかって(真逆の)証言せざるを得なかった』と言っていた。争いを仕掛けてきた大分大和のオーナーも、最初は川島氏と当社が結んだ処理費用については知らなかったのだろう。しかし、知ったうえで川島氏を取り込んで訴訟を進めてきた。また、大分大和を1円で売却するなど普通では考えられないこともやっている」

【内山 義之】

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