行政・企業・住民をつなぐ九住協が新体制~新理事長「コロナ禍には最善の施策を」(中)
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2020年08月04日 07:00

行政・企業・住民をつなぐ九住協が新体制~新理事長「コロナ禍には最善の施策を」(中)

(一社)九州住宅産業協会 理事長 橋本 大輔 氏

 国および地方公共団体の住宅・宅地政策に協力し、宅地の円滑な需給を図るため、宅地政策を促進するとともに、宅地造成および住宅建設などに関する事業の健全な発展を図り、もって社会福祉の増進に寄与することを目的とする事業者の団体である(一社)九州住宅産業協会(以下、九住協)。155社の会員を抱える九住協は5月14日、2020年度の定時総会をANAクラウンプラザホテル(福岡市博多区)で開催した。第11代目理事長には、10年にわたり副理事長を務めてきた橋本大輔氏((株)ファミリー・代表取締役)が就任した。

福岡不動産コロナ禍論

 ――今年の福岡市の不動産市場における、新型コロナウイルスの影響についてうかがえますでしょうか。とくにマンション市況について、どのような影響がございますか。

 橋本 コロナ禍で、社会は大きな転換期を迎えていると思います。新型コロナウイルスは、人命への影響にともない、人・モノの動きの世界的な遮断、国内の経済活動抑制、雇用減少による世帯所得の低下など、さまざまな経済活動における障害を発生させました。

 緊急事態宣言を受けて、モデルルームなどでの販売活動の自粛、住宅設備の供給不足、不動産情報の流通鈍化など、住宅産業界にも大きな影響をおよぼしました。6月末時点では、いったん収束の様相となってはおりますが、コロナ禍がもたらした影響の一部は残っていくと考えています。

 2008年には金融経済に甚大な損害を与えたリーマン・ショックがありましたが、今回のコロナ禍は実体経済へ大きな損害を発生させております。まさに未曾有の出来事であり、過去経験したバブル崩壊やリーマン・ショックとは異なる出来事であると感じております。これから先の未来を正確に予見することは、誰にとっても至難の業でしょう。我々、九住協に求められる役割は、不確かな経済の予測よりも、九州の住宅産業界ひいては九州のまちにとって最善の施策を講じ続けることではないかと思います。

 これからもさまざまなかたちで困難が訪れるかもしれませんが、困難に立ち向かい乗り越えた先には、成長や進化が待っているのではないでしょうか。現に当社((株)ファミリー)も、コロナ対策として講じたリモートワークの導入により、業務の効率化や無駄削減の兆しも体感しております。人も企業も、困難を乗り越えた先にこそ進化があるのではないでしょうか。

 福岡の不動産市況についても、予見しづらい状態が今後も継続していくかと思いますが、あまり悲観的になり過ぎず、各業界団体で力を合わせて知恵を絞り、福岡のまちに活力をもたらせるよう尽力していきたいと思います。

福岡市の勝機は都心開発と人口増

 ――福岡市の優れているところ、足りないところについては、どうお考えですか。

(一社)九州住宅産業協会 理事長
橋本 大輔 氏

 橋本 優れているところは、特筆して大きく2つあると思います。まず1つ目は、今後の博多駅を中心とした「博多コネクティッド」、天神エリアを中心とした「天神ビッグバン」など、再開発によって都市中心部が発展していることです。都市中心部の再開発が進むことで、福岡市中心部のオフィス不足も緩和され、企業活動が活性化することにより、まちもより力強く発展・成長を遂げることでしょう。また、中心部だけに限らず九大箱崎キャンパス跡地(福岡市東区)や青果市場跡地(同博多区)、アイランドシティ(同東区)などでの開発も進捗しており、福岡のまちは一層力強く様変わりしていっています。

 そして2つ目は、人口が増加基調で堅調に推移していることです。市の発表によると今年5月1日、福岡市の人口は160万人(推計)を突破しました。中心部にオフィスや商業施設の集積が続き、九州各地から人口が流入したことが大きく作用したとの記事を拝見しました。

 福岡空港や博多駅、博多港が近接する「九州の玄関口」としての立地特性、そして大学や専門学校が多く、若年層が集まりやすい環境という特性が相まって、19年の住民基本台帳に基づく人口動態調査では、人口増加数が全国トップとなりました。人口の増加による生産の向上と消費の増加が福岡のまちのエネルギーとなり、福岡をより活気溢れるまちへと成長させていくのではないかと思います。

 足りない点といいますか、多少減退する点でいいますと、インバウンド需要ではないかと思います。これまでは、アジアからの渡航者によるインバウンド需要が福岡の消費を後押ししていた側面もあったと思いますが、コロナ禍でそれらは減少しています。また、回復にも長い時間を要するのではないでしょうか。一方で、やや過熱気味であった土地価格相場は、落ち着きを見せるのではないかと思っております。

(つづく)

【永上 隼人】


<INFORMATION>
(一社)九州住宅産業協会

理事表:橋本 大輔
所在地:福岡市博多区博多駅前2-11-16 第2大西ビル6F
TEL:092-472-7419
FAX:092-475-1441
E-mail:info@kyujukyo.or.jp


<PROFILE>
橋本 大輔
(はしもと・だいすけ)
1956年5月、熊本県出身。福岡大学法学部卒。大手マンションデベロッパーを経て、92年9月に(株)ファミリーを設立し、代表取締役に就任した。(一社)全国住宅産業協会の理事も務め、「令和元年春の叙勲」で黄綬褒章を受章した。

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