2021年12月09日( 木 )
by データ・マックス

廃校にAI拠点、小売業界でDX目指す〜トライアルHDが宮若市と連携協定(前)

 (株)トライアルホールディングス(以下、トライアルHD)は福岡県宮若市と連携して、廃校となった小・中学校跡に新たな流通形態「リテールAI」の開発拠点「リモートワークタウンムスブ宮若」を設置する。民間企業が自治体と提携したまちづくりプロジェクトで、地域活性化を図るユニークな試みだ。

自治体との提携で新たな流通形態を創出

左:(株)トライアルホールディングス 代表取締役 ⻲⽥ 晃⼀ 氏
右:福岡宮若市⻑ 有吉 哲信 氏

 トライアルHDと宮若市は9月18日、「リモートタウンムスブ宮若」の開設に関わる連携協定を締結した。これは、リテールAI企業を推進する同社が宮若市と共同で進めるまちづくりプロジェクトで、小学校や中学校などの公共施設跡地を活用したAI技術開発拠点の開設をはじめとして、店舗や社員寮の建設を行うもの。さらに、最新のテクノロジーを活用して、アパレル・ホームファッションにおける製造から販売、接客まで新たなビジネスモデルを創造・構築する。

 海外小売流通業界では、最先端のIT・AI技術を導入する「リテールテック」に注目が集まっており、業界を変えつつある。国内でも少子高齢化による労働力減少を背景に、IoT技術を活用したスマートライフが注目されている。コロナ禍でライフスタイルが変わりつつあるなか、その潮流はさらに大きくなっている。

 同社は創業時から、ITと小売・流通業を融合するビジョンを掲げてきた。流通業界へ変革をもたらすべく、消費者購入傾向などが蓄積されたデータを活用する過程で、「リテールAI戦略」を進めてきた。2019年11月にはサントリー酒類(株)、(株)日本アクセス、日本ハム(株)、フクシマガリレイ(株)、(株)ムロオといった、店舗、卸、メーカー、物流などの業界各社が共同して、リテールAIプラットホームプロジェクト「REAIL(リアイル)」を発足。流通業におけるAI活用を積極的に推進している。

 トライアルHD独自の取り組みとして、18年に国内初のスマートストア「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」、夜間無人運営可能店舗「トライアル Quick 大野城店」を開店。同年11月には、高レベルのリテールAI技術の開発・技術導入を目的としたグループ会社の(株)Retail AIを設立。ここでは、大手家電メーカーやAIベンチャー出身のエンジニアなどを国内で約50名、中国で約300名を抱え、ハードウェアおよびソフトウェアの自社開発から、店舗導入までを一貫事業として、実装試験を兼ねて店舗への技術導入を行っている。19年4月には、同社最大級の売り場面積をもつフラッグシップ店舗「メガセンタートライアル新宮店」で、Retail AIが独自開発した世界初の小売専門「リテールAIカメラ」を1,500台導入。各商品コーナーで購買者の行動をAIで分析し、デジタルサイネージと連動させることで、新しい流通店舗のかたちを提供している。

AIカメラ

(つづく)

【小山 仁】

(後)

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