2024年04月23日( 火 )

天神から大濠へ移転計画「新・福岡県立美術館」(後)

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新・県立美術館への期待

 新・県立美術館には、セントラルパーク構想との相乗効果のほかにも、以下のことが期待されている。

○福岡の魅力を伝える情報発信拠点としての役割
○大濠公園内の文化芸術施設(福岡市美術館、大濠公園能楽堂、日本庭園など)との連携による相乗効果の発揮
○セントラルパーク構想の中核となる文化芸術施設としての存在感の向上
○日本庭園と新・県立美術館の一体的な整備による、日本の庭園文化や伝統工芸、芸術作品などを総合的に鑑賞、体験できる施設としての機能獲得。海外に向けた日本文化の紹介・発信の拠点としての役割
○最寄り駅の福岡市地下鉄七隈線「六本松駅」で進む「九州大学六本松キャンパス跡地」再開発を中心とした新しいまちづくりとの連携

ほか、複数あり

 もちろん、少なからず課題も挙げられている。たとえば、移転・新設場所とされる福岡武道館を新たに移転する必要が生じることや、最寄り駅から若干の距離があること、開館の時期が前述の福岡武道館の移転時期に影響を受けることなどだ。

 新・県立美術館が誕生する大濠公園周辺エリアは、福岡市内でもとくに住環境としての人気が高いエリアで、高級住宅街としての認知度も高い。交通アクセスを含む、生活利便性の高い都心部にありながら、広大な自然・緑が将来にわたって担保されている大濠公園の存在が、生活拠点としての高い評価につながっているものと考えられる。住環境が良ければ周辺人口も増えていき、そして人が増えれば、自然とにぎわいの創出にもつながっていく。

 すでに相応の定住人口・交流人口を有するこのエリアに、新・県立美術館が移転・開業することで、観光や芸術・文化拠点としてのさらなる魅力向上が果たされることになる。エリアの魅力・活力を底上げする可能性を秘めた新・県立美術館は、福岡都心部の新たなランドマークとして機能することができるか、期待が寄せられている。

(了)

【代 源太朗】

(中)

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