いよいよ今年度中の事業者公募へ 九大・箱崎キャンパス跡地再開発(中)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年12月02日 07:00

いよいよ今年度中の事業者公募へ 九大・箱崎キャンパス跡地再開発(中)

新たな拠点創出に向けた都市計画の決定・変更

 こうした跡地利用計画やグランドデザインを受けて福岡市は、新たな拠点の創出に向けて、九州大学跡地にふさわしい機能の導入を図るとともに、土地利用転換に向けた都市基盤を整えるため、20年6月に都市計画の決定・変更手続きを実施した。

 まず、土地利用の転換および道路などの基盤整備を契機として、良好な市街地の形成と多様な都市機能の誘導を図るため、箱崎キャンパス跡地や貝塚駅周辺を含めたエリアの用途地域を、「第一種住居地域」(容積率200%/建ぺい率60%)から「第二種住居地域」(容積率200%/建ぺい率60%)に変更。これにより、一定規模の店舗やオフィス、住宅などの併存が可能となった。また、市施行の土地区画整理事業の事業実施に向けては、箱崎キャンパス跡地の北側エリアと貝塚駅周辺、さらに箱崎中学校周辺を含めた区域決定と、「貝塚駅周辺土地区画整理事業」という名称決定を行うことで、施行の対象とした。

 さらに、「貝塚公園」の公園区域の変更を行ったほか、新たに「箱崎中央公園」の公園区域を決定。跡地南エリアにおける公園不足の解消と、移転後の箱崎中学校との一体的な防災性の向上、さらには近代建築物活用ゾーンの緑と連続するゆとりある空間整備に資することを期待している。

 土地利用転換の進め方については、箱崎キャンパス跡地において民間活力を生かしながら良好な市街地形成を実現するため、多様な都市機能の導入を可能とする用途地域を設定。今後、事業者公募を行い、その提案内容に応じてまちの魅力をさらに高める地区計画制度などの活用を検討している。

 事業者公募前の都市計画手続きについては、前述の「第二種住居地域」への見直しを20年6月に決定告示。事業者公募については、福岡市・九州大学・URでグランドデザインの実現に向けて必要となる案件を定める。公募において民間活力を生かした幅広い土地利用計画や壁面位置の制限、街角広場などの提案を求めることで、良好な環境を創出していく方針。さらに事業者公募後には、公募によって求めた内容などを地区計画に定めていくとともに、エリアの魅力を高めるような事業者の提案に応じて、より多様な都市機能の誘導を可能とする「緩和型地区計画制度」(開発整備促進区()などを想定)の活用を行っていくとしている。大型の商業施設ができる可能性もあるというわけだ。

※:開発整備促進区
 大規模な土地利用転換が見込まれる区域において、エリアの魅力向上に資すると認められる場合に、劇場や映画館、演芸場、観覧場、店舗、飲食店、展示場などの多様な用途に供する一定規模以上の建築物の立地を可能とする地区計画の制度 ^

南エリアはURが、北エリアは市が整備

 箱崎キャンパス跡地の基盤整備については、UR都市機構が開発行為を行う南エリアと、福岡市が土地区画整理事業を行う北エリアとに分けて実施される。

 まず南エリアにおいては、周辺地域が望む早期のまちづくりを図るために、迅速な都市基盤整備が可能な事業者として九州大学はURを選定。URは開発行為を実施し、それに併せて都市計画道路などの整備も行う。南エリアの開発面積は約29.3haで、土地造成や公園、跡地外周道路の拡幅などを実施。現在、公共施設の管理者協議などが行われており、工事着手は20年度中を予定している。

 また、南エリアでは「堅粕箱崎線」(延長約630m、幅員28m、4車線)と「原田箱崎線」(延長約730m、幅員19m、2車線)の2本の都市計画道路が、直接施行制度に基づいてURによって行われる。直接施行制度とは、面的整備と併せて都市計画道路などの公共施設もURが整備する制度のことで、都市再生機構法第18条1項に基づくもの。現在、この都市計画道路の用地取得を進めるとともに、20年10月から工事に着手している。

 北エリアにおいては、前出の「貝塚駅周辺土地区画整理事業」として、市が土地区画整理事業を実施する。同土地区画整理事業は、箱崎キャンパス跡地などの計画的な土地利用転換に必要な都市基盤整備を行うことにより、貝塚駅周辺の脆弱な都市基盤の課題解消と合わせて、交通結節機能の強化を図ることを目的にしたもの。施行地区面積は約23.4haで、事業施行期間は29年3月末まで(清算期間を除く)。今後の計画では、20年12月に事業計画案が策定され、21年1月予定の縦覧を経て、20年度中に事業認可。その後、仮換地指定を経て、22年度から基盤整備工事が行われる予定となっている。

都市基盤の整備範囲

(つづく)

【坂田 憲治】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2021年01月24日 07:00

【長期連載】ベスト電器消滅への道(5)

 ベスト電器は2010年1月、有薗会長、濱田社長が経営責任をとって退任し、深澤政和副会長が代表取締役社長に、井澤信親氏が代表取締役専務となる新人事で年を明けた。しかし...

2021年01月24日 07:00

【年頭所感】コロナ禍の逆風のなかで新たな挑戦、太宰府市をより住みよいまちに〜楠田大蔵市長(後)

 当面はコロナ対策を万全にしていくということに尽きますが、今年はある意味、総決算、集大成の1年になってきますので、積み上げてきた3年間の取り組みを1つの形にしていく重...

2021年01月23日 13:47

【福岡県政インサイダー】データ・マックスの目は節穴、高島市長の脳裏には知事の道はない

 22日、「福岡県政インサイダー」コーナーに「小川知事ついに辞意表明か 後任に高島福岡市長」という記事を掲載したところ、そのわずか30分後に自民党福岡市議団の有力市会...

2021年01月23日 07:00

【長期連載】ベスト電器消滅への道(4)

 1953年9月創業のベスト電器は、当時メーカー優位の家電販売業界にあって、創業者の北田光男氏が辛酸を舐めながらも"安売り"を前面に押し出した販売手法で日本一の会社に...

2021年01月23日 07:00

【年頭所感】コロナ禍の逆風のなかで新たな挑戦、太宰府市をより住みよいまちに〜楠田大蔵市長(前)

 太宰府市は19年に令和の発表で注目をいただいた分、20年にはコロナの影響を非常に強く受け、その落差は日本一大きかったかもしれません。観光客数は4〜5月が前年同期比9...

2021年01月22日 17:18

進展しない第一生命の金融詐欺事件

   下表は第一生命保険(株)が2020年12月22日に発表した「元社員による金銭の不正取得」事案に関する報告の表題である(一部加筆および修正)。 ~この表...

2021年01月22日 16:43

【基山町】トラスト不動産開発と「まちづくりに関する協定」を締結~地方創生の新モデルを

 佐賀県基山町は、25日、トラスト不動産開発(株)と「まちづくりに関する協定」を締結する。トラスト不動産が基山町において18年ぶりとなる分譲マンションを建築することに...

2021年01月22日 16:06

自動運転、事故の責任は誰が負う? メーカーか、運転手か、それともAIか

 自動運転は、4月に「レベル3(条件付き運転自動化)」が解禁され、ホンダが高速道路での自動運転機能を搭載した乗用車を近く発売する予定で、ついに実用化されることになった...

2021年01月22日 15:30

激化する新型コロナ・ワクチンの開発競争:副作用の急増で問われる安全性(後)

 歴史を紐解けば、人類は8000年もの昔から感染症と向き合ってきた。エジプトのミイラからも天然痘の痕跡が発見され、14世紀のペストの流行によってヨーロッパでは人口の3...

2021年01月22日 15:12

【告発/大和ハウス】バイオガスプラント事業でずさん工事 プラント正常化を「投げ出し」の卑劣(1)

 大和ハウスと、福岡県糸島市の養豚農家の間にトラブルが起きている。にわかには信じられないずさんな工事の背景には何があるのか...

pagetop