交通×IoTで移動に選択肢、糸島でスタートした「よかまち」(前)
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よかまちみらいプロジェクト
「移動サービスで北部九州を未来へ繋がるよかまちへ」をスローガンに掲げる、よかまちみらいプロジェクト。目指しているのは、効率的な輸送体系の確立と、IoTの活用による良好な交通環境の創造だ。
たとえば、バスであれば昭和バス、レンタカーであればトヨタレンタリースといった具合に、通常、提供される交通サービスごとに事業者は異なる。利用者は、運行状況や利用状況など、事業者ごとに情報を取りに行く必要があり、不便さを感じることが少なくない。交通渋滞情報や地域の概要も知りたいと思えば、さらにオンライン上で右往左往しなければならない。こうした交通に関連する分散した情報を集約することで、乗り換え情報など、目的地までの最適な交通手段・経路の共有を図る。
また、交通手段に関しては単なる情報の共有にとどまらず、「TOYOTA i-ROAD」や電動レンタサイクル「よかチャリ(仮)」など、実際のモビリティ配備も手がけている。
このほか、利用者の事前予約に合わせてルート運行する、オンデマンドバスの実証実験にも取り組む。既存の糸島コミュニティバスを活用し、まずは曽根線運行エリア(曽根・三雲地区とJR筑前前原駅~波多江駅間)で実験が行われる。オンデマンドバスサービスは、アイシン精機(株)のデマンド型交通「チョイソコ」、MONET Technologies(株)のオンデマンド運行システムとの併用によって実施される予定で、この2つのシステムの併用によるオンデマンドバスの運行は、日本初の試みとなる。
複数の計画が同時進行する、よかまちみらいプロジェクト。矢継ぎ早のサービス展開を可能としているのが、同プロジェクトを主導する「よかまちみらいプロジェクトコンソーシアム」の存在だ。同コンソーシアムは、昭和グループのグループ企業14社および、志を同じくする企業27社とともに、2020年10月5日に発足。「移動サービスの拡充を通じた、地方都市の『よかまち』化の達成」という共通の思いの下、多種多様な企業が参画していることが、よかまちみらいプロジェクトのスピード感あふれる活動につながっている。
(つづく)
【代 源太朗】
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