2022年01月18日( 火 )
by データ・マックス

住宅の性能は福岡トップクラス 施工力と組織力でつくる「心地いい家」

健康住宅(株)

福岡トップクラスの住宅性能 引き渡す全棟で気密測定を実施

内断熱工法でつくられたモデルハウス
内断熱工法でつくられたモデルハウス

  健康住宅(株)が手がける住宅の特長は、性能の高さだ。高気密高断熱の住宅は、家中の温度が一定に保たれ、ヒートショックも起きにくく年間を通じて快適に過ごすことができる。建物の断熱性能には窓が大きく影響するが、健康住宅では、すべての窓でトリプルガラスの樹脂サッシが標準仕様となっている。この仕様にすることで、熱が逃げにくく結露しにくくなるのだ。

 また、外断熱工法による省エネルギー、高性能住宅に取り組んで22年。全棟で気密測定を行っている会社は、福岡にはまだまだ少ないが、1500棟余りの引き渡し実績を誇る同社では、「高性能住宅」を謳い始めた1棟目から気密測定を欠かさず行ってきた。施工が雑だったり、ムラがあったりすると気密性が落ち、クレームにつながりかねないからだ。同社でも、当初は気密処理後と引き渡し前の計2回、気密測定を行っていたが、現在では引き渡し前のみ行っている。施工力に自信がついたこと、コスト削減の2点がその理由だ。

 上棟予定が記された社内のホワイトボードには、「着工待ち」が溢れんばかりに並んでいる。品質を確保するために年間着工棟数を制限していることで、着工待ちが発生しているのだが、「最大10カ月待ちでも健康住宅で家を建てる」決断をする施主が多いのは、品質に基づくブランド力の賜物だ。年間に引き渡す90棟余りのうち、4割以上がOB顧客からの紹介だという事実こそ、高性能住宅の品質の高さを物語っている。

SDGsに積極的に取り組み 社員大工は13名を育成

 SDGs(持続可能な開発目標)にも力を入れ、2018年7月には「SDGs宣言」を行った。SDGsに掲げられている17の目標のうち、とくに健康や省エネ、伝統技術の継承、そして住み続けられるまちづくりなどは、同社がこれまで取り組んできた内容と驚くほど合致している。国際的な取り組みなので全社的にも士気が上がって推進しやすいうえ、SDGsに理解の深い顧客も多いという。

 同社の強みの1つは、高い施工品質だ。職人の高齢化は建設業界全体の課題となっているが、同社も例外ではない。そこで、「技術の承継に貢献し、将来的にも高い施工品質を継続させる」ため、10年前から社員大工制度を採用。10年間で社員大工は13名となり、なかには親子で社員大工になった例もある。経験を積んだ社員大工のうち6名が棟梁となった。

 同社の畑中直社長は、次のように話す。「我が社には『GOOD COMPANY with GOOD PEOPLE(いい人がたくさん居るいい会社)』というビジョンがあります。出社するのが楽しく、社内の雰囲気が良くて、仕事には厳しい。もちろん、きちんと利益を出しつつ、社員さんが世間から『良い会社に勤めていますね』と認められる。そんなビジョンです。ゴールは遠いですが、あきらめないで追い続けていきたいですね」。

営業歩合なしでも利益3倍へ 全員エンジンの新幹線プロジェクト

 17年8月からは、「新幹線プロジェクト」を進めてきた。新幹線は高速で走行するために、全車両にエンジンを搭載している。その仕組みにならって、社員1人ひとりがエンジンをもち、全員で成長していける会社になる―というものだ。新幹線プロジェクトでは、17年7月期を基準に「24年7月末までに、年間棟数を倍、社員数を1・5倍、利益を3倍にする」を数値目標に掲げた。住宅会社としては珍しく、営業の歩合制を廃止して久しい。施主に対しては、社員個人ではなくチームで対応。提案やアフターフォローを充実させることで、施主との関係性を深めることができ、やりがい創出にも貢献しているという。その結果、離職率が劇的に低下し、出戻り社員も8名にまで増えた。

 「当社でもう一度働きたいと言って戻ってきてくれるのは素直にうれしいですね。彼らは、昔の当社のことをよく知っているし、独立して苦労した人もいます。その経験は我が社にとって大きな戦力です。転職経験のない社員の、良き相談相手にもなってくれているようです」(畑中社長)。

 規模の拡大とともに社内のポストも増加しつつある。従業員の評価制度をつくり直したことの影響もあり、幹部社員の3分の1は女性だ。曖昧な評価だったころと比べ、昇給や昇進に対する社員の「なぜ?」「どうして?」が減り、前向きに業務に取り組む環境ができたという。

満を持して内断熱工法を開始 最先端のCLT工法にも挑戦

伊都住宅公園 センター棟
伊都住宅公園 センター棟

 外断熱工法に絞って住宅をつくってきた健康住宅は、内断熱工法の取り扱いも開始した。これについては、「外断熱がベストであることは間違いありませんが、日々工法は進化しています。断熱材を吹付発泡にすることで、原価の安い内断熱でもベターな家をつくることができます。外断熱と内断熱の良さを並べてみられるのが、伊都住宅公園です」(畑中社長)と話す。

 本社の住宅資料館、春日展示場(春日市)、hitマリナ通り住宅展示場(西区)、梅林宿泊体験施設(城南区)に続き、19年5月には、伊都住宅公園(西区)がオープン。約600坪の敷地に外断熱工法、内断熱工法それぞれで建てられた2つのモデルハウスが並ぶ体験型施設だ。さらに20年9月には、伊都住宅公園内のセンター棟が完成した。センター棟はCLT工法で建てられ、林野庁のCLT活用建築物棟実証事業制度が活用された。使用した木材はすべて国産材。全国的にもまだまだ珍しいCLT工法の建物を見学できる、プロ向けにも開かれた施設だ。

 新幹線プロジェクトとSDGsの一環として、20年7月期からはリフォーム事業を本格化させた。これまで、主にOB顧客へのアフターサービスとして行ってきたリフォーム事業だったが、一般向けに外壁塗装やキッチンの入れ替えに始まり、大規模リノベーションまでを手がける。

 3年が過ぎ、新幹線プロジェクトも間もなく折り返し地点を迎える。高性能住宅を軸に、事業の幅を広げつつある同社が今後どのように変化していくのかが楽しみである。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:畑中 直
所在地:福岡市城南区別府5-25-21
設 立:1998年8月
資本金:2,000万円
TEL:092-846-3000
URL:https://www.kenkoh-jutaku.co.jp


<プロフィール>
畑中 直
(はたなか すなお)
1959年4月26日生まれ。福岡市出身。上智大学を卒業後、98年に健康住宅(株)の代表取締役に就任。福岡でいち早く高性能住宅「外断熱工法」を採用。2020年度は健康住宅だけで93棟を引き渡した。明朗な性格で、従業員のみならず、施主や取引業者など人望は厚い。

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