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2021年03月01日 15:00

現場を重視した顧客主義戦略で サッシ工事では地場トップクラス 九州・福岡の壮健企業100社 

(株)サンヨー建材工業

建物の「顔」となるサッシの重要性

 建物の外と室内を仕切り、風雨を遮る、個室をつくる、さらに個室内を仕切って収納をつくる―建具とは住宅の開口部に取り付けられる「仕切り」の総称を指す。玄関ドアや障子、ふすま、窓やサッシなどが建具の代表的なものだ。建具がない建物はない。とくに住居における建具は、断熱性や防音性、防犯性など生活に関わる重要な部分にあたるため、取り付ける建具によって建物の性能だけでなく見るものに与えるイメージも大きく変わってくる。

 建具の取り付けには、関連する工事も多いため、図面作成の段階からほかの専門工事業者と連携して進める必要がある。これら建具をミリ単位で調整し、取り付けるのが金属製建具工事業者だ。

 創業から44年、サッシ工事業者としては、ほかを圧倒する規模を誇るまでに事業を拡大してきたのが、福岡県飯塚市に本社を置く、(株)サンヨー建材工業だ。創業当時は木製のサッシからアルミ製のサッシへの転換が進んでいたころだ。木製サッシに比べ、アルミサッシは施工が容易であることから異業種による参入が増えた時期だった。同社は、競合ひしめく建具工事業界で地道な営業活動を積み重ね、マンション新築工事におけるサッシ工事で飯塚地区・福岡地区における強固な受注基盤を構築してきた。

施工に定評あり 多様な建物で実績

 マンションデベロッパーを主体に構成される業界団体・(一社)九州住宅産業協会に加盟していることからもわかるように、同社の施工実績でもっとも多いのは分譲マンション。メーカーでもデベロッパーでもないため、「サンヨー建材工業」の社名を見かけることは少ないが、同社が関わった建物は、分譲マンション以外にも小中学校や高等学校、店舗、介護施設、病院など幅広い。ビル用アルミサッシ、スチール・軽量製、ステンレス製建具およびガラス・鏡などの建築資材の販売および施工を手がけてきた。

 工期や価格、施工品質などを重視する顧客目線の戦略が功を奏し、受注は好調に推移。2010年代前半に8億~9億円で推移していた売上高は増収基調をたどり、20年9月期には飯塚本社だけで17億円を超えた。業績を大きく伸ばしたのは、建設需要の高まりという外的要因だけでなく、徹底的な顧客主義に基づいて長年蓄積してきた施工実績による同社への信頼によるものだろう。

理念は『努力と機動力』 丁寧に聞き、実践する

左から越智多見男社長、越智信次常務

 サンヨー建材工業が掲げる経営理念は、『努力と機動力』。顧客ニーズを重視する同社と越智多見男社長ならではのものだ。コンクリートから人へ―に象徴されるように、若者の建設業離れが起きて久しい。建設需要の高まりにも、職人不足のために「施工業者が見つからない」といった声も多く聞かれるようになった。こうした状況下における職人確保については、これまで積み上げてきた関係性によって決まることも少なくない。時代の流れを読みながら、時代にあった経営を心がける。当たり前のことを当たり前にできる経営力が同社の基盤を築き、それが右肩上がりの受注を支える要因になっているのだ。

 創業者で代表の越智多見男氏は、マンションデベロッパーを始め、ゼネコンや介護施設運営会社、メーカーとの信頼関係を長年にわたって積み上げてきた。また、このような人脈だけでなく、施工力にも定評があるため、受注先は大手ゼネコンから地場ゼネコンまで多岐にわたっている。

 創業来44年にわたって取引先からの信頼を得てきたことについて、越智社長は次のように話す。「特別なことはしていません。『努力と機動力』を理念に掲げ、顧客の求めるものを丁寧に聞き、それを徹底することです。それには、『勘―感性』も重要です」。感性とは、常に顧客の声を聞き、その声を仕事に反映させて進化していくことといい、それを続けていくことがもっとも重要だという。

人脈と施工力で44年 まちづくりの一翼担う

本社社屋
本社社屋

 同社の強みは越智社長の人脈と施工力であり、これらが経営の両輪となって躍進を続ける同社の原動力となっている。仕事熱心で知られる越智社長が同社を牽引しているのは間違いないが、そのリーダーシップと理念に共感した役員と従業員が一丸となって仕事に取り組むことで高い施工力を維持してきたことも忘れてはならない。従業員を信頼しているからこそ、越智社長は経営者としての圧倒的な努力を続けることができ、業績の拡大につなげている。

 施工力について、現場は越智社長がもっとも重視するところだ。予算から進捗まで、現場のすべてをトップが把握しているからこそ、顧客ニーズを聞き出すことが可能になるのだという。その甲斐あって、従業員がゼネコンから表彰されるなど同社の施工力への信頼は厚い。

 コロナ禍においても現場が大きく混乱することはなく、現場を指揮するゼネコンの指示に従って粛々と工事を進めているという。幸い、工期の遅れや中断はなく、大きな影響は受けていないというが、「いずれ我々にも影響は出てくるでしょう。そのとき柔軟に対応するためにも、財務基盤をしっかりと整えていきます。福岡はポテンシャルの高いまちだと思っています。福岡のまちづくりの一翼を担っている自負をもち、これからも地域と業界の発展に尽力してまいります」(越智社長)。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:越智 多見男
所在地:福岡県飯塚市秋松941(飯塚本社)
福岡市東区原田1-43-43(福岡本社)
設 立:1977年10月
資本金:1,000万円
TEL:0948-28-7727
URL:http://www.sanyokenzai.co.jp


<プロフィール>
越智 多見男
(おち たみお)
1947年、福岡県嘉穂郡(現・飯塚市)生まれ。税理士事務所に5年間勤務後、76年にサンヨー建材工業を創業し、77年10月の(株)化とともに代表取締役に就任した。趣味は畑仕事とゴルフ。

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