コロナ禍を逆手に、アパホテル 新規出店は継続、買収も視野(後)
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アパグループ 代表 元谷 外志雄 氏
コロナ禍で厳しい状況が続くホテル業界―閉鎖するホテルも増えるなか、アパホテルはシェア拡大のチャンスと見ている。11月 24日現在、33棟(1万1,568室)のホテルを建築・設計中と、拡大戦略を継続。運営するホテルの稼働状況や地域ごとの収益性、コロナ後の経済回復に向けて先手を打つ出店計画について、アパグループ代表の元谷外志雄氏に聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス 永上 隼人)
調達金利0.38% 低利生かし機会うかがう
――金融機関の資産評価に変化はありましたか。
元谷 所有するホテルには、自己資金で建設したもの、すでに借入金を返済したものが60棟以上あります。依然として金融機関からは、積極的な融資の話をもちかけていただいており、資産評価に大きな変化はないと考えています。
アパホテルは自社物件を所有しているメリットを活かし、金利0.38%などほぼ0.5%以下で金融機関から新しく借入れができるため、新たに物件を取得していくつもりですが、銀行の追い貸しで経営を維持しているホテルも多く、売物件数はあまり増加していません。今後、ホテルなどの業界はさらに厳しくなって急速に不良債権が増加し、銀行に促されて損切りで不動産が売りに出されるケースが増え、不動産の本格的な買いどきはまもなく来ると予想しています。21年は多くのホテルおよびホテル用地が割安で市場に流れると予想され、ビジネス利用が多いアパホテルでは、宿泊特化型で駅前立地の200~500室規模のホテル物件などで、価格が下がって条件が合う物件を取得したいと考えています。
車と違って、ホテルは築10年でも築30年でも中古価格は大きく変わらないため、割安で取得した中古物件をアパブランドでリニューアルして運営することも視野に入れています。そのほうが、新築で出店するよりも利益率は高くなることもあります。また逆に、築浅の中古物件は銀行の抵当権が付いているため、損切した物件でなければ安く購入できることはありません。
ホテル業界では、多くの企業がせめぎ合う百花繚乱の時代がしばらく続くでしょうが、力の強い企業が20%のシェアを取るころから、上位数社による寡占化が始まると見込んでいます。景気の良いときは業界のシェアは大きく変わりませんが、厳しくなると撤退が増えるため、現在10%弱のシェアを拡大できるチャンスがあるはずです。最終的には、固定客をもつブランド力の勝負になるため、テレビCMなどの広告にも積極的に投資していくことを計画しています。
(了)
【石井 ゆかり】
<COMPANY INFORMATION>
アパグループ
代 表 :元谷 外志雄
東京本社:東京都港区赤坂3-2-3
アパグループ赤坂見附本社ビル
設 立 :1971年4月
売上高 :(19/11連結)1,371億5,600万円
TEL :03-5570-2111
URL :https://www.apa.co.jp月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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