開通間近の福岡都市高速、アイランドシティ線を訪ねる(中)
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2021年春の供用開始を目指し建設が進む、福岡都市高速6号線(アイランドシティ線)。20年12月下旬時点で、橋脚や橋桁といった構造的な部分の工事はすでに完了しており、舗装工事、道路照明などの道路附属物設置といった最終仕上げの段階に入っている。アイランドシティ線の開通によって、何が変わるのか。現場取材を含め、レポートする。
多軸台車による「一括架設」で交通規制を最小限化(つづき)
一般的には、地上に橋桁を支持するベント(橋桁の仮受け台)を組んで、クレーンで架設するが、これには数十日を要することがネックとなる。ただでさえ渋滞するアイランドシティ周辺の幹線道路を、それだけの長期間にわたって車線規制するわけにはいかないことから、今回は多軸台車上にベントを組んで、幹線道路上空で桁の架設を行う「一括架設」方式を採用。ベントを移動しながら架設していくことで、一夜(22時~5時半)のみ、合計4日間の交通規制で、無事架設を完了させた。
さりげなく「ゲート感」を演出
「アイランドシティ自体、景観に相当配慮したエリア。公社としても、福岡市の景観アドバイザーの意見などを取り入れながら、橋脚や橋桁の幅、表面の質感や色を工夫するなど、できる限り配慮に努めた」(同)という。ここでいう景観への配慮とは、周辺住民に極力圧迫感を与えない構造物にするということを指すと解される。アイランドシティ線近くの海上では、例年花火大会が開催されているが、これも少なからず影響しているだろう。
では、具体的にどう配慮したのかというと、まず、橋脚や橋桁をなるべく目立たないよう幅を小さくしたことが挙げられる。多くの橋脚については、梁の部分に鉄筋PC鋼線を入れ、通常の橋脚より幅を薄くした。橋桁についても、幅が細いスレンダーボックスを採用し、通常の橋桁より幅を薄くした。橋桁の色についても、淡い青色を採用し、周辺の海や空に調和するよう工夫を施している。
景観への配慮とは少し違うが、御島かたらい橋南側道路をまたぐ区間の橋桁に「ISLAND CITY」の文字を設置することで、アイランドシティへの入り口(ゲート)を模した。また、ゲート感を出すため、道路をまたぐ2つの橋脚の下半分には、石を模した表面処理を施している。控えめながら、「アイランドシティゲート」といった趣を演出する狙いがうかがえる。
(つづく)
【大石 恭正】
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