2024年03月29日( 金 )

開通間近の福岡都市高速、アイランドシティ線を訪ねる(前)

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 2021年春の供用開始を目指し建設が進む、福岡都市高速6号線(アイランドシティ線)。20年12月下旬時点で、橋脚や橋桁といった構造的な部分の工事はすでに完了しており、舗装工事、道路照明などの道路附属物設置といった最終仕上げの段階に入っている。アイランドシティ線の開通によって、何が変わるのか。現場取材を含め、レポートする。

渋滞緩和のため、約2.5kmの都市高速建設へ

 アイランドシティは1994年に埋め立てを開始し、2005年にまちびらきした約400haの人工島。福岡市が九州大学学術研究都市と並ぶ新たなまちづくりの拠点に位置づける市内有数のホットなエリアで、島の人口も20年には1.1万人を超えた。

 ただ、アイランドシティへのアクセスは、自家用車やバスなどによる道路交通のみ。アクセスルートには、香椎浜方面を結ぶ「御島かたらい橋」「香椎アイランドブリッジ」、海の中道方面を結ぶ「海の中道大橋」がある。とくに香椎浜方面を結ぶ2ルートではここ数年、自家用車やバス、貨物トラックなどの通行が集中し、交通渋滞が慢性化していた。この交通渋滞の緩和を主な目的として、16年に建設着手したのが福岡都市高速6号線(アイランドシティ線)だ。

 アイランドシティ線は、福岡都市高速1号線の香椎浜JCTとアイランドシティ出入り口を結ぶ約2.5kmの全区間高架構造の都市高速道路。その整備は、福岡北九州高速道路公社、国土交通省九州地方整備局、福岡市の3者による合併施工方式を採用しており、公社は香椎浜JCTから約1.4kmの区間の橋脚、橋桁整備のほか、全区間の舗装、道路附属物工事を担当している。九州地方整備局は、公社担当区間からアイランドシティ出入り口までの約1.1kmの区間の橋脚、橋桁整備などを担当。福岡市は用地補償のほか、高架下に位置する香椎浜北公園などの整備を担当する。総事業費は約401億円。

上空から見たアイランドシティ線(画像提供:福岡北九州都市高速道路公社)
上空から見たアイランドシティ線(画像提供:福岡北九州都市高速道路公社)

多軸台車による「一括架設」で交通規制を最小限化

 三位一体というが、公共事業の世界では、1つの事業で事業主体が異なる場合、事業者間、施工業者間の連絡調整が難しくなるといわれる。アイランドシティ線の現場では、関係者間の綿密な連絡調整が功を奏したためか、工事はこれまでのところ順調にきているようだ。福岡北九州高速道路公社の担当者は「幹線道路や都市高速の上空に橋桁を架ける際には、夜間に交通規制をかける必要があったが、交通規制の時間を極力短縮するよう努めた」と振り返る。

(つづく)

【大石 恭正】

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