2022年06月29日( 水 )
by データ・マックス

開通間近の福岡都市高速、アイランドシティ線を訪ねる(後)

 2021年春の供用開始を目指し建設が進む、福岡都市高速6号線(アイランドシティ線)。20年12月下旬時点で、橋脚や橋桁といった構造的な部分の工事はすでに完了しており、舗装工事、道路照明などの道路附属物設置といった最終仕上げの段階に入っている。アイランドシティ線の開通によって、何が変わるのか。現場取材を含め、レポートする。

まちの拠点性の飛躍的な向上へ

 アイランドシティ線の区間延長自体は約2.5kmと短いが、アイランドシティと都市高速が直結することの意義は大きい。期待される効果としては、まず通行車両の分散による既存道路の渋滞緩和が挙げられる。とくに、みなとづくりエリアには、コンテナトラックなどの物流関係の車両が多く行き来しているが、これらの車両が最寄りの出入り口から都市高速を利用できるようになれば、その分、下道を通行する車両は減り、下道の定時性が向上することが見込まれる。当然、物流車両の定時性向上にもつながり、引いてはコンテナターミナルの機能向上にもつながる。

 もう1つが、道路ネットワークのリダンダンシーの強化だ。アイランドシティには、すでに1.1万人以上の住民のほか、国際物流の拠点、バス交通拠点などがある。アイランドシティと周辺との車のアクセスについては、現在は3つの橋でまかなっているわけだが、今後見込まれる交通量の増加、地震などの災害、橋のメンテナンスなどを考えると、アイランドシティ線の開通の意味は、単にもう1つのルートが増えただけにとどまらない。

 この点、公社担当者は「アイランドシティには、広域的な需要が見込まれるさまざまな施設が立地している。アイランドシティ線が福岡都市高速、九州自動車道とつながることにより、まちの拠点性が飛躍的に向上することを期待している。また、アイランドシティの先には、海の中道海浜公園や志賀島といった観光スポットがある。それらの観光振興効果も期待される。さらに、大型車両の下道通行が減ることによって、沿道住民の生活環境の向上も期待できる」と話している。

 アイランドシティ線の開通によって、アイランドシティのまちづくりがさらに加速するのは間違いないだろう。新たなランドスケープ(景観要素)として、まちにどう溶け込んでいくか楽しみだ。

アイランドシティ線(上り線)からアイランドシティを眺める
アイランドシティ線(上り線)からアイランドシティを眺める

(了)

【大石 恭正】

▼関連記事
アイランドシティ関連記事一覧

(中)

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、建設・不動産業界に関すること、再開発に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

記事の企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は別途ご相談。

現在、業界に身を置いている方や趣味で建築、土木、設計、再開発に興味がある方なども大歓迎です。

また、業界経験のある方や研究者の方であれば、例えば下記のような記事企画も募集しております。
・よりよい建物をつくるために不要な法令
・まちの景観を美しくするために必要な規制
・芸術と都市開発の歴史
・日本の土木工事の歴史(連載企画)

ご応募はこちら(nagaue@data-max.co.jp)まで。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連キーワード

関連記事