2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

炭素税導入で再エネの経済性が逆転? RE100による本格化はこれから(前)

(株)Looop
取締役 電力事業本部長
小嶋 祐輔 氏

「政府が再エネ発電設備などに補助金を出すグリーン投資は、再エネ発電設備の機能開発や実証事業がこれまでの主な対象であったが、2021年度は制度が拡充されて、再エネの発電設備を自社で導入するハードルが下がるのではないか」(小嶋氏)。

大手グローバル企業が主導

 「企業が事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指すイニシアティブ『RE100』への参加は、欧米でとくにESG投資などへの注目が高まっており、環境への取り組みの姿勢を伝えることに積極的なグローバル企業のニーズが高い。日本企業では、RE100に参加する先駆的な大企業が、企業PRとしてフラッグシップビルの再エネ100%化を始めた段階であり、ほとんどの大企業では、再エネの導入はこれからだ」――と、企業向けに再エネ電力小売業や太陽光発電の設備の販売などを行う(株)Looop取締役・電力事業本部長・小嶋祐輔氏は話す。

 RE100は、脱炭素やSDGs(持続可能な開発目標)に意識の高い上場企業が、企業価値の向上を目的として参加することが多い。また、先進的な姿勢を伝える意味で導入するケースもある。「不動産業界では、テナントの要望で再エネを導入するケースはまだ少なく、不動産や企業投資に対する環境価値の影響が出てくるのは、日本ではこれからだろう」(小嶋氏)。

 AmazonやAppleなどが使用電力の再エネ化を開始してから、企業が再エネに目を向けるようになった。RE100に参加するため電力に再エネを導入するニーズは、ここ1年で少しずつ増えてきたという。

 また、小嶋氏は、「中小企業では、電力の再エネ100%化はまだほとんど導入されていない。再エネで発電された電力やCO₂を出さない『環境価値』を証明する非化石証書などの購入が電力のコストアップになるため、取り組みにくいのではないか。一方、多額の投資が必要ではあるが、自社で保有する再エネ発電設備を設置すると送電網からの電力購入量が減少するため、電力コストを数%の削減できるケースはある」と話す。

(つづく)

【石井 ゆかり】

(後)

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