2024年03月19日( 火 )

西鉄高架化、駅前再開発も控える 住宅都市・春日&大野城の今昔(5)

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注目される高架化の影響と、今なお旺盛な住宅開発

西鉄天神大牟田線では高架化事業が進む
西鉄天神大牟田線では高架化事業が進む

 そんな両市で現在、とくに注目を集めている大型プロジェクトが、「西鉄天神大牟田線連続立体交差事業」――通称“高架化”だ。福岡県と福岡市が事業主体として進めている同事業だが、春日・大野城市域の高架化は県が担当し、春日原駅~下大利駅間の約3.3kmの線路の高架化とともに、春日原駅、白木原駅、下大利駅の3駅も高架化。踏切除去による渋滞解消や公共交通の利便性の向上とともに、各駅周辺の整備や高架下の空間活用などによる新たな賑わい創出などの効果が期待されている。高架切替は22年8月を予定。

 なお、自衛隊施設や溜池・公園などを除く市域のほとんどが開発され尽くした春日市内では、開発の動きが一服した感があるが、まだ開発余地が多く残されている大野城市域では依然として旺盛な開発が続いている。

建設が進む「MJRザ・ガーデン下大利」
建設が進む「MJRザ・ガーデン下大利」

 その目玉といえるのが、総戸数303戸の分譲マンションと商業施設などからなる住・商複合開発「MJRザ・ガーデン下大利」(下大利1丁目)だ。同物件は、前出の「イオン下大利」跡地で建設が進められているもので、分譲マンションのほか、街区内にはシニアマンションやスーパーマーケットなども併設。分譲マンションの開発は別項のようにJR九州とエース工業(株)の共同事業として進めるほか、スーパーマーケットの施工を高藤建設(株)福岡支店が担当する。竣工は22年2月を予定。

 ほかにも、「ファーネスト白木原駅前ガーデン」(白木原4丁目、55戸、21年1月竣工)や「AlicStyle大野城中央」(中央2丁目、83戸、21年2月竣工)、「グランドオーク春日原」(栄町3丁目、33戸、21年12月竣工予定)、「サンメゾン春日原」(錦町2丁目、112戸、22年2月竣工予定)、「サンリヤン春日原ブランシエラ」(錦町3丁目、95戸、22年3月竣工予定)、「サンパーク白木原レジデンス」(白木原1丁目、42戸、22年10月竣工予定)など分譲マンションの開発が目白押しなことに加え、旭ヶ丘では50区画の新規住宅地の開発も予定されるなど、依然として強い住宅ニーズがうかがえる。

  

 来年4月には、ともに市制施行50周年を迎える春日市と大野城市。同年8月には西鉄の高架切替も予定されており、これまで交通インフラの利便性を享受しながら発展を遂げてきた両市にとっては、次なる50年先に向けての節目の年となるだろう。都市機能の充実ともに、ベッドタウンの枠を超えた両市のさらなる発展を期待したい。

大野城市商工会 会長  花田  稔之

 福岡都市圏の住宅都市として発展してきた大野城市では、生活密着型の事業を展開されている事業者が多いほか、準工業地域には工業関連の事業者が集まっています。当商工会では会員の皆さまの事業内容に応じて、商業部会、工業部会、サービス業部会の3つの部会を設置し、会員さまを中心とした経営支援事業と地域振興事業を2つの柱に、各種支援サービスを展開しています。現在は、コロナ禍でとくに飲食関連の事業者さまが苦境ですので、国の制度を利用した支援のほか、当商工会からお願いに行って、コロナを災害扱いにして大野城市独自の融資事業を行っていただくなど、さまざまな取り組みを行っています。また、市と当商工会とで「(一社)大野城市にぎわいづくり協議会」を立ち上げ、地域資源に関わる市民・事業所・団体などの互いの交流・連携を通じて、市全体の活性化につながるような活動も行っています。

 これからの春日・大野城地区の動きで、一番の目玉となるのは西鉄の高架化です。大野城市域では高架下を利用した活性化事業を行っていきますが、当商工会でも市と連携しながら、ここを起点として賑わいを全市に広げていけるよう取り組んでいきたいと思います。

(了)

【坂田 憲治】

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