2024年04月29日( 月 )

DBJが建物の環境評価を「見える化」

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 (株)日本政策投資銀行(以下、DBJ)は2月1日、Arc Skoru, Inc.と、LEED認証のコンサルティングなどを行う(株)ヴォンエルフと共同で、不動産の環境性能を指標化するためのプラットフォーム「Arc(アーク)」の普及推進などを目指して、(株)Arc Japanを設立した。Arc Skoru社は、建築や都市を対象とした環境認証LEEDの認証機関・米国GBCI(グリーン・ビジネス・サーティフィケーション)の子会社で、Arcを開発した会社だ。

 Arcは、エネルギー(温室効果ガス排出量)、水の使用量、廃棄物の排出量、交通、人としての体験(human experience)の5つの指標データをオンライン上で入力することで、建物や空間の環境パフォーマンスをデータベース上でスコア化するシステム。これにより、海外を含む同種の不動産と比較できるようになり、LEEDなどのグリーンビルディング認証を目指しやすくなる。Arcの対象となるプロジェクトは、オフィスや小売店、集合住宅、ホテルなどのビルのほか、複数のビルがある街区、コミュニティ、BID(地区再生に向けたビジネス改善地区)、自治体とされている。

 DBJは、2011年にDBJ Green Building認証を創設して以来、ESG不動産の普及に努めてきた。DBJとArc Japanは、これまでLEEDなどの環境認証を活用してこなかった物件にもArcを活用してもらい、不動産の環境性能の「見える化」を促進していく。既存の不動産でもLEEDなど環境認証を普及させるにあたり、築年数や規模を問わず認証を未取得の物件で環境認証を取得するきっかけを生み出すことが必要だとしている。さらに、DBJは環境性能の改善に向けた取り組みが金融につながる仕組みを提供し、不動産のサステナビリティ(持続可能性)向上と脱炭素社会への移行を目指す。

左:DBJ Green Building認証を取得している日比谷パークフロント
右:DBJ本社がある大手町フィナンシャルシティ サウスタワー

【石井 ゆかり】

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