2024年05月04日( 土 )

【電力システム改革の動向】延岡市の地域新電力会社をめぐり、国が九電に業務改善指導

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 宮崎県延岡市が進める地域新電力会社の設立の計画に関し、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会は29日、九州電力に対して業務改善指導を行ったと発表した。これは、同市が九電による同計画の説明などに対して抗議し、政府に九電への調査を依頼していたことへの回答。

 同市が抗議した問題点は2点。第1に九電が同市の関係者に対し、同計画に関して容量拠出金の影響が加味されていないと説明していたことに関し、同市は根拠なく試算した拠出金額に基づくものであると指摘して抗議していた。同委員会は九電の地域での影響力に鑑みて、新規参入者の事業計画に関する意見表明、説明には慎重かつ十分な配慮を要すべきと指摘した。

 第2に九電が同計画の収支を試算する際に、子会社の九州電力送配電(株)からほかの小売事業者の情報を違法に入手した事実は確認できなかったとしている。

 読谷山洋司・同市長は29日、「今回の電力・ガス取引監視等委員会の調査ではその実態が明らかにされておらず、極めて遺憾」であり、業務改善指導では不十分でさらなる調査を求めていくとコメントした。

【茅野 雅弘】

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