ともに発展してきた県都と泉都、大分&別府の今昔、そして未来は――(7)
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都市間の相互連携による輝かしい未来に向けて
大分市では04年12月に「大分市都市計画マスタープラン」を策定し、2度の一部改訂と11年3月の全部改訂(市町村合併を踏まえて)を経て、市の将来都市像を「ともに築く 希望あふれる 元気都市」に設定。「県都にふさわしい広域都心の形成」「都市の産業や生活を支える交通体系の確立」「都市生活を豊かにする安全・快適な住環境と地区拠点を中心としたコンパクトな都市づくり」「都市の個性と風格を醸成し集客力を高める都市の魅力創出」「人と自然とが共生できる豊かな自然環境の保全・活用と身近な緑、水辺の再生」「産学官民が協働して参画する都市づくりの推進」の6つの基本方針の下で市内を9地区に分け、現在はそれぞれの地区の特性に沿うかたちで、市民との協働によるまちづくりを進めている。
一方の別府市でも、05年3月に別府市都市計画マスタープランを策定(11年4月に改訂)。都市づくりの基本理念を「住んでよし、訪れてよしの国際観光温泉(ONSEN)文化都市づくり」として、自然環境、温泉、歴史文化など地域の資源を活かした市民・行政の協働によるONSENツーリズムのまちづくりを推進し、「誰もが住み続けたい、訪れたいと思える、“国際観光温泉文化都市”」を目指している。
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県都・大分市では現在、周辺再開発によって一新された大分駅周辺を中心に、新たな開発などが多数進行。MJR大分ブランシエラ(173戸、23年2月竣工予定)をはじめ、エイリックスタイル高崎グランヒルズ(80戸、20年11月竣工)、グランドパレスアルティスタ大分中央(41戸、20年2月竣工)、デュオヒルズ大分中島(99戸、21年3月竣工)、エイリックスタイル豊府ウィルプレイス(48戸、21年5月竣工予定)、グラディス大分駅前(52戸、22年2月竣工予定)など、市内各地で進行する旺盛なマンション開発からは、住宅需要の高さがうかがえる。また、大分駅北側では、都市型共同住宅と高齢者分譲住宅、商業施設などで構成される末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業なども進行しており、県都としての存在感はますます高まっていきそうだ。
一方の泉都・別府市は、コロナ禍で基幹産業である観光が大打撃を受けているものの、コロナ終息後を見越したホテル開発などは依然として継続。国内有数の温泉地としてポテンシャルがいまだ高いことを示している。
大分県では20年4月に米・Virgin Orbit社とパートナーシップを締結し、航空機から小型人工衛星を打ち上げる水平型の「宇宙港」として大分空港を活用していく方針を示した。また、大分県佐賀関半島と愛媛県佐田岬半島の間の海峡約14kmを結ぶ「豊予海峡ルート」の実現に向けた動きもある。これらが実現していけば、位置的にも近くにある大分市や別府市は、県都と泉都という異なる都市性を生かし、交流人口増加や物流機能の向上とともに、また新たな活気を帯びていくだろう。
(了)
【坂田 憲治】
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