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2021年04月18日 07:00

【凡学一生の優しい法律学】小室圭さん文書事件

奇妙な違和感

 法律を学ぶ者なら、法律が立ち入ることのできない人間関係があることは百も承知のはずである。法が適用されるためには、厳密な立証によって黒白をつけられることが前提となる。

 法律が不適用となる代表的なものは、婚姻当事者間の法律関係である。夫婦間の事実は大きな時間の流れのなかで判断する必要があり、一時的な事実の法的評価は困難である。

 代表的な例は夫婦喧嘩だ。「離婚する」という意思を相手に告知しても、翌日には何事もなかったようになる。夫婦間での契約(法的約束)が成立しにくいのも、「親しい関係」における不確定さ、微妙さにある。これは、婚姻関係、婚約、親族(血族・姻族)関係に当てはまる。

 弁護士なら、秋篠宮家の眞子さまと婚約が内定している小室圭さんの母親と婚約していた男性(以下、元婚約者)との間の金銭のやり取りは借金か、贈与かを最初に問題としなければならないが、テレビに出ていた弁護士全員がこの問題を無視した。

 とくにひどいのは、雄弁で名の通った橋下徹氏であった。橋下氏は、小室圭さん文書のなかの「解決金の支払いは世間的には借金の存在があったとの誤解を生み・・」の一節を取り上げ、「屁理屈」と一刀両断に切り捨てた。

 しかし、「屁理屈」は法律の専門家の間では用いられない言葉であり、ただ相手の論理を非難するためだけの「卑猥語」である。「馬鹿」とののしる程度の下世話な言葉である。

 相手の論理の誤りを指摘する代表的な言葉は、「背理」や「不合理」「不条理」であるが、これらを用いる場合には、論理の食い違いや欠点を具体的に指摘する必要がある。しかし、橋下氏はそれを回避し、弁護士という名声に乗じて「屁理屈」を使用した。悪質な権威主義者の常套手段である。

多くの識者が小室圭さん文書の論理に齟齬や矛盾はなく、整合性があることを認めており、「屁理屈」と断定したのは橋下氏1人である。

 次に、テレビで有名な弁護士が主張したことは、法的建前論と現実論を混同または無視したものだ。弁護士は、当事者間で紛争解決のために支払われるのはあくまで「解決金」であって、一方の当事者の言い分を認めるという意味はないため、借金の返済の意味はないと主張し、世間が解決金の支払いを「借金の返済」と見なすこともありえない、と断言した。この建前論と現実論の混同は小学生にも理解できるもので、橋下氏の場合とは別の意味で論理が通っていないことに筆者は驚いた。

 もちろん、テレビで有名な八代英輝弁護士は、上記2例のような、取るに足らないコメントを述べず、小室圭さん文書が裁判官を意識したものであるため、一般人にはわかりにくいと指摘していた。

 さらに、テレビによく登場する2名の弁護士によるコメントがネットで紹介されているが、前述の人間関係の微妙さについてのコメントは皆無であった。つまり、弁護士全員が「人間関係の微妙さ」を黙殺したことになる。

小室さん文書事件の問題点

 今回の事件は、販売至上主義の週刊誌によって世間に公表され、拡散された。週刊誌が事件の真実よりも世間へのインパクトを重視し、売れ行きを最大の関心事としていることは公知の事実だ。

 元婚約者が小室さんの母親に「貸金の返済請求をしていた」という事実の信ぴょう性が、最大の問題となる。事実の認定では、5W(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ)について客観的な証拠による証明が必要であるから、「貸金の返還請求」の5Wを検討し、立証できるかが論点となる。

 最大のポイントは、元婚約者による週刊誌との接触と弁護士代理人選任のいずれが先に行われたかということである。「借金の返済」を求めるなら、まず週刊誌に接触することは考えられない。しかし、現実には元婚約者は週刊誌にも接触(情報提供)し、弁護士代理人も選任している。通常の「貸金返済請求」ではあり得ない構図である。筆者は、この普通でない構図の原因にこそ、本事件の本質が存在すると考える。

皇室関連記事の特性

 日本では「やんごとなききわ」(高貴な身分)への尊敬と憧れには1,000年以上の歴史があり、庶民が皇室と姻戚関係になることは、羨望と嫉妬のために賛否両論を巻き起こす。

 皇室の崇高性を信じる人々により、小室さんのみならずその母親までも高い品格が求められた結果、小室さんの母親の人格権・プライバシー権までもが販売至上主義の週刊誌やテレビ局によって蹂躙された。

 庶民の男女は破談となっても次の新しいパートナーとの出会いを懸念することはないが、眞子さまの場合は大きく事情が異なる。この眞子さまの特別な事情を汲み取ることのできる良識をマスコミが備えていたなら、下世話な三流報道が氾濫することはなかっただろう。眞子さまに残された道は小室さんとの信頼と愛情を貫くことだけだ。この視点をもち、報道機関は2人の将来を祝福する報道に心を砕くべきである。

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